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サステイナビジョン下田屋毅氏に質問!――CSVとネスレの人権に関する取り組み:後編(2014/5/6)

(前編の続き)
―ネスレがパートナーシップを締結しているデンマーク人権研究所とは、人権活動においてどういったポジションなのでしょうか。

デンマーク人権研究所は、1987年にデンマーク議会の決定により設立され、ビジネスと人権に関する研究、分析、通信、教育、関連資料作成だけでなく、デンマーク国内および国際的なプロジェクトを多数実施しています。

デンマーク人権研究所は、これまでに企業に関わる人権に先進的に取り組んでいる、ユニリーバ、ザ・コカ・コーラ・カンパニー、マークスなどの国際的な企業に対して、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」のフレームワークに則ったプログラムの作成・実施を研究所の独自のツールを使用しサポートをしています。

ネスレの人権プログラムもこのデンマーク人権研究所の協力の下、ギャップ分析、人権方針の作成、人権影響評価などを実施しています。「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、人権デューデリジェンスなどの取り組みをどのように実施してきているかをまとめた報告書が「ホワイトペーパー」です。


―一般的なCSR報告書とは別に、人権に関する取り組みの報告書を発行しているのですね。

そういうことです。ネスレは、デンマーク人権研究所とともに人権リスクが高い国7か国(コロンビア、ナイジェリア、スリランカ、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン)に焦点を当てて、人権影響評価を実施しています。さらに2015年までに他の5か国(ベトナム、パキスタン、中国、サウジアラビア、エジプト)の人権影響評価を実施するとしています。

これら各地域では、人権影響評価を実施する機能的な領域として、1)人的資源、2)安全衛生、3)安全体制、4)ビジネスの誠実性、5)地域社会への影響、6)調達、7)原材料調達、8)製品の品質とマーケティングの実践、の8つをカバーするとしてします。

報告書の中では、それぞれその8つの領域毎に「ベストプラクティス」と「改善が必要な部分」について記載し、また、「改善が必要な部分」については、どのように対応をしていくのかについても詳細に記載されています。

このように、ネスレはデンマーク人権研究所とともに「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に則って人権プログラムを実施し、マテリアリティ分析で優先事項が高い「人権」に関して、ステークホルダーへの活動報告としてホワイトペーパーを発行しているのです。


―人権に関する活動のまさしくトップランナー的存在ですね。また、マテリアリティの個別テーマに特化して報告するというコミュニケーション方法も珍しくて興味深いです。ネスレといえばCSV、というイメージが先行しがちでしたが、どういった活動が優れているのかよくわかりました。ありがとうございます!(質問者:CSR革新室 渡邉ゆかり)

    下田屋 毅氏

    イメージ

    Sustainavision Ltd. (サステイナビジョン)代表取締役。英国ロンドンに拠点を置き、CSRコンサルティング、CSR研修、CSR関連リサーチを実施するとともに、日本と欧州とのCSRの懸け橋となるべく活動を展開している。
    ビジネス・ブレークスルー大学非常勤教員(担当:CSR)国際交流基金ロンドンCSRセミナーシリーズ(2011/2012)プロジェクトアドバイザー。

    サステイナビジョンのホームページはこちら

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