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中国における日本企業CSR報告書の最新動向

2015年の中国企業のCSR動向は日本企業により一層大きな影響を与えるでしょう。6月17日、中国日本商会は北京で「中国経済と日本企業2015年白書」を発表しました。中国日本商会の田端副会長は、「日本企業は輸出から国内販売への切り替えや、他のコストの削減、儲けの出る部門での利益改善などの戦略に切り替え、中国市場に適応している。46.5%の日系企業が中国で業務拡大を検討しているが、これらの多くが中国市場販売型企業だ。彼らは中国市場のポテンシャルに高い評価をしており、今後も投資を続け、中国市場開拓に力を尽くすだろう」と語りました。

2015年1月1日から、中国の新環境保護法が正式に施行されました。中国企業だけでなく、外資系企業にとって、環境保護の面からのプレッシャーはますます大きくなってきました。2015年から、中国政府が独占禁止法の罰則を厳しく強化したことから、罰則のグレーゾーンに置かれている日本企業も少なくないはずです。

日本企業の中国進出は、原材料、部品調達の現地化および人材の現地化を経て、現在は技術の現地化と責任の現地化に直面しています。また、日本企業が中国を生産加工基地から販売市場として転換しているなか、中国も産業転換の最中にあります。さまざまな要因が日本企業の社会責任に影響を与え、日本企業の現地化を促しており、責任の現地化は時代の要請であると言えるでしょう。


企業社会責任の立法化の対応

2014年10月、中国政府が発表した「中共中央政治局による中央委員会への活動報告、法による治国を全面的に推進するための研究」のなかで「企業社会責任の立法」が言及されました。外資系企業には経営の透明化が要求されることになり、外資系企業は自発的に社会の監視を受けるとともに、さらなる情報開示に取り組まなければなりません。

日本企業全体のCSRレベルは高く、国際的評価も悪くありません。しかし、中国の日本企業はCSRにとても慎重であり、横並び意識や日中政治関係に遠慮する傾向が強く見られます。中国政府の企業の社会責任立法化に対応するためには、日本企業はCSR活動やCSRコミュニケーションを強化し、責任管理システムの現地化を重視する必要があります。

また、グローバルCSR戦略と現地化戦略を補完することにより、統一されたCSR戦略で、中国の事情や中国のステークホルダーに合ったCSR戦略と管理システムを構築する必要があります。日本の親会社の成熟した社会責任管理システムを現地化させ、中国に合わせてローカライズした報告書やCSRコミュニケーションは、CSR立法化や責任の現地化対応の重要なポイントです。

企業の社会責任の立法化の動きは、中国の外資系企業にCSR報告書の発行を促し、日本企業により積極的なCSR活動の重要性を高めるものと考えられます。


中国はCSR報告書ガイドライン三強時代

ローカライズされたCSRガイドラインは、CSR報告書のローカライズを推進する動力です。現在、日本企業のCSR報告書の多くはGRIガイドラインを参照しています。GRIガイドラインに準拠した日本企業にとって、GRIをベースに、中国社会科学院CSR研究センターのガイドライン(CASS-CSR3.0)など中国のガイドラインに転換または併用することは難しいことではないでしょう。

2014年、中国のCSR報告書が参照するガイドラインの多元化時代が始まりました。中国社会科学院CSR研究センターが統計したCSR報告書のうち、681社の報告書(67.6%)が参照または準拠したガイドラインを明記していますが、そのうち456社の報告書は2種類以上のガイドラインを参照、あるいは政府規制当局の要件に準拠した基準、業界団体や行界協会、学術機関のガイドラインを参考に、国内のガイドラインと同時に国際関連ガイドラインを参照していました。GRIは280社、上海証券取引所ガイドライン(企業が履行する「社会責任報告書」作成ガイドライン)は240社、社会科学院のガイドラインCASS-CSRは231社という結果となり、中国CSR報告書ガイドラインの三強時代となっています。(社会科学院CSR研究センター調べ)

「中国企業の社会責任研究報告2014」にランクインした日本企業19社のうち、中国語版CSR報告書を発表した企業は15社であり、そのうち5社が社会科学院CSRガイドライン(CASS-CSR3.0)を参照しています。(松下電器(中国)有限公司、ソニー(中国)有限公司、キヤノン(中国)有限公司、東芝集団(中国)、トヨタ自動車(中国))。


※本稿は、最新の中国CSRの動向について、中国語版CSRレポートのコンサルティングも行っている一般社団法人アジアコミュニケーション研究所に寄稿していただきました。


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『中国企業社会責任研究報告2012 日本語特別版』

国有企業100社、民営企業100社、そして外資企業100社のランキングと社会責任発展指数を掲載しているのが、『中国企業社会責任研究報告』通称「ブルーブック」。

本書は、2012年版のブルーブックの日本語版で、中国独自のCSRガイドラインの概要と2012年までのランキング3年分を日本語で掲載している唯一の書籍です。※2013年以降については、公式の日本語版は発行しておりません。

ご購入は問い合わせフォームにて「その他全般のお問い合わせ・ご意見」を選択いただき、内容欄に「中国企業社会責任研究報告 ●冊購入希望」と入力し送信してください。

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