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IIRCの統合報告フレームワークと比較! 経済産業省の「価値協創ガイダンス」

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2016年8月、経済産業省に「持続的成長に向けた長期投資(ESG・無形資産投資)研究会」が設置されました。

この研究会では、以下の内容について検討を行っています。

●持続的な企業価値の向上と中長期的投資の促進のために、持続的な企業価値を生み出す企業経営・投資の在り方
●長期的な経営戦略に基づき投資の最適化を促すガバナンスの仕組み
●それらの評価や情報提供の在り方

そして、2017年5月にそれらの検討結果が「価値協創ガイダンス」として公表されました。このガイダンスは、企業だけでなく投資家にも活用されることが促されており、その点がIIRCとは異なる点ではないでしょうか。

では、具体的にその内容を見ていきましょう。

価値協創ガイダンスの内容とは

ガイダンスでは、「1.1企業理念と経営のビジョン」から「6.7取締役会の実効性評価のプロセスと経営課題」まで、投資家は何に関心があって企業は何を開示すべきかが記載されています。

例えば「3.1 ESGに対する認識」では、

●ESGを超過収益の源泉ととらえる投資家もいるが、多くの投資家は少なくとも中長期的なリスク要因として認識している。
●したがって、企業は自社の中長期的な企業価値やビジネスモデルの持続性に影響を与える、あるいは企業の存続そのものに対するリスクとして、どのようなESGの社会・環境要素を特定しているか、どう認識しているかを示すべきである(一部抜粋)

とあり、投資家の視点と企業が開示すべき内容を示しています。

また、「3.3.2カントリーリスク」では、
「自社の見解を投資家に伝え、投資家が持つカントリーリスクに関する分析情報と交換することは、自らの仮説を確認し、見直す機会ともなる」
とあり、投資家との対話を勧めています。

では、「価値協創ガイダンス」とIIRCの統合報告フレームワークの内容要素との比較を見ていきましょう。
以下のように、項目は非常に近くなっていますが、価値創造ガイダンスの方が投資家の視点をより具体的に示しています。

価値協創ガイダンス IIRC国際統合報告フレームワークの内容要素
1.価値観 A.組織概要と外部環境
2.ビジネスモデル C.ビジネスモデル
3.持続可能性・成長性 D.リスクと機会
4.戦略 E.戦略と資源配分
5.成果と重要な成果指標(KPI) F.実績
6. ガバナンス B. ガバナンス

今後に向けて

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EYが2017年6月に公表したレポート「投資家に企業の真価を伝える非財務情報開示とは?」では、「非財務ディスクロージャーはほとんど重要ではない、または財務的影響はほとんどない」と回答した投資家は60%(2013年)から16%(2016年)に減少しており、非財務情報への関心が高まっています。

その一方で、「非財務情報は一貫性がない、入手できない、または検証されていない」と回答した投資家は2016年には42%となっており、投資家の情報ニーズに対応しきれていない状況です。


価値協創ガイダンス内にもあるように、情報開示や対話はあくまでも手段にすぎません。「何のための対話か」を常に意識しながら、投資家との対話を通じて、持続的な価値創造のために必要な取り組みを進めていくことが大切です。


【参考】
価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス – ESG・非財務情報と無形資産投資 – (価値協創ガイダンス)(経済産業省)
「投資家に企業の真価を伝える非財務情報開示とは?」EYジャパン

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