Global CSR Topics

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水不足:水に関するリスクの計測と報告

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熱帯性気候のマレーシアでは通常は毎日大雨が降るはずだが、最近、長期にわたる高温と雨不足でかつてない旱魃の危機に瀕している。とくに深刻な状況にあるのはクアラルンプール近郊と近くのセランゴール州で、70万世帯、約360万人が給水制限の影響を受けている。

水不足は生活に不便なだけではなく、政治、経済にも影響を及ぼす。インド、パキスタン、また多くのアフリカ諸国では、深刻な水不足の後に暴動や政情不安を経験している。そして、洪水や水不足はどちらも経済活動にも大きな影響を及ぼす。例えば、マレーシアの戦略産業である農業は気候変動により収穫量や生産性に大きな影響を受けている。原材料の価格や供給量は他に産業にも影響を及ぼす。実際、殆どの産業が何らかの形で、水の供給に安定成長と利益性を頼っているのだ。世界経済フォーラムによれば、企業がこれまでと同様の水管理を継続すれば、2030年までに世界は予測需要の40%の水不足に陥ると発表している。

水不足がビジネスにとっての大きなリスク要因であるにもかかわらず、この課題に対応するような実質的な政策は立てられていない。CDP 2013年度水に関する質問表への回答をみると、直接的な事業で節水目標をしっかり定めた企業は63%に過ぎず、サプライ・チェーンや水に関する公共政策で目標を設定した企業や組織はさらに少ない。しかし、驚くべきことに、回答したCEOの75%は自社の戦略が容認でき効果的だと信じている。

水は炭素のような他の天然資源と同様には管理できないことを企業は認識すべきだ。水は時空的な天然資源であるために特有であり、状況は水域ごとに異なる。水問題には地域ごとの考慮が必要だが、その対策には国家、国際レベルの取り組みが必要だ。

企業の情報開示では、水とその関連リスクに触れるだけでは事足りない。2010年度のCERESレポートでは、水のリスクに関する企業100社のベンチマークを設定、企業に下記を提唱している。

  • 財政報告か年次報告で水に関する会計データを報告し、特にリスクにある業務やサプライ・チェーンについて言及する。
  • 水に関する企業の評判へのリスクを報告する。
  • 地域ごとのパフォーマンス・データを提供する。
  • 水に関するサプライヤーのパフォーマンスの総合データを提供する。
  • 水関連の方針、管理制度、企業方針について討議する。
  • 節水に関する計測可能な目標を提示する。
  • 水の影響についてステークホルダーとエンゲージする。

水不足は現実問題である。水不足や水質問題は実際に発生しており、企業は今後、より真剣に水問題に注意を傾ける必要がある。



by Esther Teh
CSRアジア週刊ニュース日本語翻訳版

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