Global CSR Topics

Global CSR Topics

バックナンバー一覧

過小評価(賃金面でも)され続ける女性の労働

UN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)は新たにレポートを発行し、女性の権利と平等の実現に向けて経済を変革し、クローバル政策アジェンダを抜本的に見直すことを求めている。本レポートはグローバル経済の中での女性の地位を精査し、とりわけ途上国で仕事のあるなしにかかわらず女性が受ける扱いの深刻な問題点を指摘している。

ジェンダー平等に向けて多少の進展が見られた点を特記する一方、本レポートではかつてない世界的な富の時代到来の一方で、何百万人もの女性が基本的な医療ケア、安全な水や衛生施設へのアクセスすらない状況で、低賃金かつ条件の悪い仕事に従事せざるを得ない現状を指摘している。

世界全体では、男性の75%が労働力に加わっているのに対し、女性は半分程度に過ぎない。途上国では女性労働者の95%が非正規雇用であり、労働法や社会的保護の適用を受けない職業に従事している。女性は依然として無報酬のケア労働の負担を強いられている。

安全な水と衛生施設、適切な医療ケア、さらに育児・介護ケアの提供といった最優先事項に対して公的資源が充てられていないと本レポートは主張している。公共サービスが欠如している場合、女性と女児へしわ寄せが及ぶこととなる。結果的に「ケア・ペナルティ(ケアから生じる不利益)」につながるため、男女ともに、経済的安定と自立を犠牲にすることなく、家族のケアにあたる必要性を論じている。

本レポートの中で、生産的リソースと社会的保護へのアクセスが平等であり、適切な生活水準を維持するに充分な収入を女性が得ることができるような女性に適したグローバル経済への道筋を示している。このような経済を実現することで、女性の仕事が尊重かつ評価され、男女の仕事に対する固定観念が解消し、女性は暴力やセクシャルハラスメントのない生活を送ることにつながる。

しかしながら実態はかけ離れている。世界的に女性の収入は男性より平均24%低いとレポートは明らかにしている。子どものいる女性の場合、賃金の格差はさらに大きくなる。例えば南アジアでは、子どものいる女性の男女賃金格差は35%になる(子どもがいない場合は14%)。低い労働参加率、男女賃金格差、さらに年金制度の不備が女性のケア・ペナルティの拡大につながっている。

女性は多くの場合、低賃金業務という狭い分野に追いやれている。例えば世界全体で家事労働者の83%は女性が占め、その半数近くが最低賃金の権利すら有していない。

女性が労働組合や企業取締役会、財務省庁、国際金融機関という経済的な要職に占める割合は依然として低い。2014年、世界で最も有力な6つの経済機関の理事会に占める女性の割合は4~20%にとどまった。

本レポートは、政府、企業NGOが経済政策と人権に対する取り組みを大きく転換し、女性と女性の権利を中心に据える経済アジェンダへの切り替えを図るべきだとしている。経済政策と社会政策のバランスをとることが、女性と男性にとり適切な雇用を創出し、あらゆる経済活動を下支えしている無報酬の労働が評価され支援されることにつながると論じている。行き届いた社会サービス(例えば医療、ケアサービス)および社会保護政策(例えば年金)は、出生から老齢期を通し、女性の所得保障につながり、さらに経済的機会を活用し、人生の選択肢を広げることが可能となる。

適切な仕事に就き、医療ケアを受け、暴力や差別のない生活を送ることは女性の経済的・社会的権利であり、大多数の政府が締結している人権諸条約により保証されている。政府はこれらの権利の遵守に対して最終的な責任を負うが、政府のみの取り組みでは不充分である。本レポートは、女性の権利への取り組みにおいて企業も重要な役割を担うと論じている。

UN Womenのレポートはこちらhttp://progress.unwomen.org/

オーストラリア・メコンNGO参画政策(AMNEPフォーラムの旗印のもと、6月2~3日にバンコクで開催されるオーストラリア政府とNGO間の第4回政策対話において「インクルーシブ・ビジネス:農業のバリューチェーンにおけるメコン川流域の女性」について協議する予定。参加にご申込み・詳細はクレリア・ダニエルまでcdaniel

by Richard Welford
CSRアジア週刊ニュース日本語翻訳版

    CSRアジア

    イメージ

    CSRアジアは、国内外でCSR、サステナビリティ戦略の普及・推進事業を行っている企業、組織と連携し、持続可能な社会の実現を目指しています。企業の社会的責任(CSR)における各種コンサルティング、リサーチ、研修等を通じ、持続可能なビジネスを実現できるよう支援しています。

    CSRアジアのホームページはこちら

関連するページ

このページの先頭へ