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中国の第13次5カ年計画は注目を集めるか

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中国共産党第18期中央委員会は先週、第5回全体会議(5中全会)を開催し、同国の第13次5ヵ年計画について協議・検討を行った。「135」と呼ばれる同計画は、2016年~2020年にわたる中国の発展目標(もしくは予測)を示し、その達成に向けた道筋を盛り込んだ計画である。

今回初めて、英語圏に向けて同計画を宣伝する試みがみられ、中国国営新華社通信はツイッターtwitter を通してコミカルな動画video を配信した。「中国の取り組みを知ろう」、「135に注目しよう」と耳に残るフレーズで人びとに呼びかけている。

中国は対外開放政策を導入以降、市場経済に移行したが、世界第2位の経済大国となった現在も政治や経済計画にソビエト時代の影響が色濃く残っている。5ヵ年計画が最終的に承認されるのは来年の全国人民代表大会の場であるが、党中央委員会第5回全体会議(5中全会)では30年に及ぶ「一人っ子政策」から、全ての既婚夫婦に第二子を認める「二人っ子政策」(two-child policy)に転換することが発表され、全土からの関心を集めた。

新たに導入される「二人っ子政策」以外でも、経済成長の見通しなど、注目に値する経済的・社会的政策が盛り込まれている。5中全会は共同声明の中で、中国が「中高速の経済成長」を目指し、「イノベーションと起業に積極的に投資していく」と明記した。これまでと同様、国内消費を高めることも含まれている。5中全会閉幕から間もなく、李克強首相は韓国で開催された経済会議に出席し、中国が年率6.5%の経済成長を目指すことを表明し、経済の減速は緩やかである点を強調した。さらに成長率6.5%でも、2010年から2015年の急成長のおかげで、2020年までに経済規模を2010年比で倍増させ国家目標に支障はないとした。さらに注目される経済政策としては、2016年から2020年にかけて競争力あるセクターの製品・サービスへの規制緩和を表明することで、政府の価格統制を緩和する方向である。

しかしながら貧困撲滅の目標達成の進捗状況は思わしくない。国家統計局によると、2014年末時点で、依然として7,000万人以上が中国の貧困基準である年収2300人民元(日本円で約4万5000円)以下の生活水準にあった。政府は2020年までに全人口が貧困から脱することを目標としたが、これには2020年までに毎月100万人が貧困状態から脱する必要がある。経済が減速している中、これは不可能ではないにしろ、困難を極めるだろう。新華社通信の統計は2011年に4330万人が貧困ラインを脱したと報じたが、2013年にこの数字は1650万人に、さらに2014年には1230万人に減少した。貧困撲滅に向けた取り組みは今後最終承認されるが、5中全会では中国当局が貧困にあえぐ市や県の開発を支援していくことが表明された。

会議ではさらに、国有資本の一部を移転させて社会保障基金に充当し、養老保険を拡張して国民皆保険計画を実施すると結論した。今年7月には、重篤な疾病を対象とした保険制度を都市と農村部への住民により広く適用することを国務院がうち出した。社会保障および公衆衛生の取り組み促進し、二人っ子政策をとった背景には人口高齢化への対応がある。5ヵ年計画は若い世代に対し、高校教育の推進および「経済的に困難な状況にある生徒の専修学校進学を全額助成する」ことを盛り込んでいる。中国では現在9年間の義務教育を行っているが、これには高校教育が含まれていない。

差し迫る環境問題についても5中全会の中で討議された。会議に先駆け、環境保護部の上級職が協議し、5ヵ年計画に盛り込むべき喫緊の課題を特定した。水質・大気・土壌汚染および生態系の悪化、事故が引き起こす環境災害が該当する。中国では2015年初めに新たな環境保護法が施行された(関連する当週刊ニュースの記事のバックナンバーにはここからアクセスhere)。5中全会の場で共産党の指導部は、同法のアプローチを踏襲し、今後5年で環境保護制度をより厳格に適用していくことを確認した。中でも地方行政機関の環境責任を強化し、違反企業に重い罰則金および禁固刑を科すことがメインとなる。大規模プロジェクトの開発許可承認の改訂についても協議中である。

5ヵ年計画が打ち出す目標の多くは国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)と連動している。中国が地域の新たな取り組みである「アジア・インフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank)」や「一帯一路戦略(One Belt and One Road Strategy)」などと連携し、目標達成を推し進める機運は高まっている。中国はミレニアム開発目標(MDGs)の大部分を達成し、同目標達成の立役者と見なされている(major contributor to the achievement of the MDGs)。このため、第13次5ヵ年計画が目標としている開発と改善を中国にもたらすことを我々は大いに期待している。

執筆:キャレン・ポン
CSRアジア週刊ニュース日本語翻訳版

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