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【国際】米国務省、2017年版人身取引報告書発表。日本は最高位の評価取れず

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米国務省人身取引監視対策部は6月27日、2017年版の「人身取引報告書(Trafficking in Persons Report)」を発表した。同報告書は略して「TIPレポート」とも呼ばれている。この報告書での「人身取引」とは、暴力、詐欺、威圧等の手段を通じて他人に労働や商業目的の性行為を強いる行為を指す。今回の報告書では、遠洋漁業船での長時間強制労働の事例や、性行為ビジネスに巻き込まれたLGBTIの若者等の事例が取り上げられている。

米国務省人身取引監視対策部は、米国の「2000年人身取引被害者保護法」(TVPA)第110条に基づき、この報告書を毎年報告している。報告書では、世界のほぼ全ての国を対象として、人身取引への関与度が小さい順に「Tier 1」「Tier 2」「Tier 2 Watchlist」「Tier 3」の4段階に分類している。作成にあたっては、ワシントンにある人身取引監視対策部のオフィスと各国の米国大使館が協力。さらに、各国官庁、NGO、宗教団体、専門家、国際機関等幅広い機関からも情報を収集している。

報告書は、人身取引の取締の現状について、現在世界で2,000万人以上が人身取引被害者であると言われているのに対し、起訴件数は15,000件、有罪判決は10,000件に過ぎないとした。そのため報告書は、各国に対し、人身取引に関与した有罪判決数を数えるだけでなく、罰則による取締強化を求めた。また、人身取引被害者自身の犯罪行為については、保護・救済措置が必要だとも説いた。

報告書の中で、日本は上から2番目の「Tier 2」と判定された。日本での人身取引実態については、外国人技能実習制度を含むアジア人労働者における強制労働、ナイトクラブや売春などで外国人女性を働かせる強制労働、援助交際や「JKビジネス」などの慣行、国際結婚で生まれた少女の性ビジネスへの関与などを問題視した。日本政府の取組では大きな努力があると一定の評価をしながらも、これらの実態が続いていることで、「Tier 1」にはならなかった。日本政府は2014年に官房長官を議長とする「人身取引対策推進会議」を設立し、国内で発生した売春強要や強制労働等の人身取引に関する年次報告を行っている。今年5月に発表された昨年の状況では、国内で保護された人は50人。このうち日本人が25人と過去最多だった。

「Tier 1」の評価を得た国は全部で36ヶ国。米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクなど欧米先進国は全てこのカテゴリーに入った。また、韓国、台湾、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル、コロンビア、チリなども「Tier 1」だった。

一方、最低の「Tier 3」と評価された国は、中国、北朝鮮、ロシア、ベラルーシ、イラン、ベネズエラなどの他、ブルンジ、スーダン、南スーダン、ギニア、マリ、赤道ギニア、エリトリア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、モーリタニアなどアフリカの国々が多く、全部で23ヶ国。リビア、イエメン、ソマリアの3カ国は「特別地域」として、欄外の評価となった。

【報告書】Trafficking in Person Report 2017

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所 [原文はこちら]

2017/07/13
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