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【アメリカ】労働省、2016年児童労働レポートと企業対策強化アプリ発表。135ヶ国・地域を評価

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米労働省(DOL)は9月20日、2016年版「児童労働レポート(TDAレポート)」を発表した。同レポートは毎年発表されており今年で16年目。米労働省は米国だけでなく、発展途上国を中心に135ヶ国・地域の児童労働を分析しており、国毎の評価も行っている。日本は対象に含まれていない。発表前日には国際労働機関(ILO)も2016年の児童労働・強制労働統計を発表したが、その内容を踏まえたものにもなっている。今年は新たに企業が具体的に児童労働を削減するためのステップを解説するスマートフォン用アプリもリリースした。

米労働省国際労働局(ILAB)は、連邦法と大統領令によって、児童労働分析と報告を毎年実施することが義務付けられている。そのため労働省は、発展途上国の児童労働削減に向け各国政府に働きかけを実施している。今年対象となった135ヶ国のうち、抜き打ち監査を実施しているのは79ヶ国。さらに86ヶ国では定期的な監査が実施されている。64ヶ国では査察官に罰金を課す権限が与えられている。しかし、ILOが推奨する数以上の労働査察を行ったのは39ヶ国に留まった。

米労働省は国毎の改善状況について、Significant(非常に進んでいる)、Moderate(進んでいる)、Minimal(最低限)、No Advancement(行動なし)の4段階に分類しており、Significantに分類された国は23ヶ国・地域だった。当該23カ国は、アルバニア、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、コンゴ民主共和国、コスタリア、コートジボワール、エクアドル、エチオピア、ガーナ、グアテマラ、コソボ、マリ、モロッコ、パナマ、パラグアイ、ペルー、フィリピン、タイ、チュニジア、ウガンダ、西サハラ。一方、No Advancement評価受けたのは、クリスマス諸島、ココス島、ニウエ、トラケウ、南スーダン、スワジランド、ウズベキスタン、エリトリア、ミャンマー、ウォリス・フツナ。

米労働省は、過去40年間で児童労働が40%削減されたと強調。しかし、労働長官はレポート発表時に、前日発表のILO統計が15年以上の推移データをもとに減少スピードが低下していると警鐘していることを踏まえ、「以前と比べこの4年間の減少幅は大きく低下してしまった」と言及。さらに取組を強化しかなければいけないと意気込みを見せた。

児童労働の分析からは、近年、小分けした麻薬輸送への関与、児童ポルノのインターネット配信など新たな課題も生まれてきている。同レポートは国別に取るべき行動を列挙しておりその数は1,700以上。そのうち約1,100は法規制による政府の取締強化に関連したもの。各国政府の素早い行動が期待される。

同時に発表されたアプリ「Comply Chain」では、ステークホルダー・エンゲージメント、リスク評価、行動指針の制定、トレーニング、モニタリング、被害者救済措置の整備、レポーティングなど、企業が実施すべき各ステップについて細かい解説がなされている。また労働省は、児童レポートの内容を閲覧するためのアプリ「Sweat & Toil」も別途リリースしており、国毎や業界毎の状況を閲覧できるようにしている。

【参照ページ】NEW RESEARCH AND APP TO COMBAT CHILD LABOR AND MODERN SLAVERY

【レポート】2016 TDA Report

【機関サイト】Bureau Of International Labor Affairs

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所 [原文はこちら]

2017/10/08
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