ガイドライン解説

GRIガイドライン

Ⅰ. 正式名称

GRIサステナビリティ・レポーティング・スタンダード
(The GRI Sustainability Reporting Standards)

Ⅱ. 概要

発行者

GRI(Global Reporting Initiative)

※ GRIとは、サステナビリティ報告のためのガイドラインの作成・普及を目的としたNGOである。

目的

あらゆる組織が利用できるサステナビリティ報告のための信頼できる確かな枠組みを提供することを目的としている。

対象

組織の形態、業種、事業規模、活動地域、これまでのレポーティングの実績などに関わらず、全ての組織を対象としている。
冊子だけではなくWebサイトでの報告も対象となる。また、年次報告書や財務報告書との組み合わせなど様々な形式を用いることも可能である。

内容(GRIガイドライン第4版)

G3/G3.1について

G3およびG3.1は、「報告原則」「報告ガイダンス」「標準開示(含む、パフォーマンス指標)」から構成。
「報告原則」では、重要性(マテリアリティ)、ステークホルダーの包含性、持続可能性の状況及び網羅性についての報告原則と、バランス、比較可能性、正確性、タイミングの適切性など、報告される情報の品質を確保するための原則が簡潔なテストとともに掲載されていた。
「報告ガイダンス」では、報告書に含む構成組織の範囲(「報告書のバウンダリー」とも呼ばれる)を、報告組織がどのように確定するかという点について掲載されていた。
「標準開示」では、「戦略とプロフィール」「マネジメント・アプローチ」「パフォーマンス指標」の3つのタイプの情報開示より構成。「パフォーマンス指標」は経済面、環境面、社会面(労働慣行とディーセント・ワーク、人権、社会、製品責任)など100項目以上があった。
標準開示のほかに、業種特有のパフォーマンス指標を掲載した「業種別補足文書」もあり、該当する業界はガイドラインに追加して情報を開示することが求められていた。
報告組織は、報告書がGRIに準拠していることを示すために、「アプリケーションレベル」システムを通して宣言することができた。対応のレベルに応じ、「A・B・C」の3つのレベルがあり、外部の保証を受けた場合は「+」をつけた。

G4について

G4は「報告原則と標準開示項目」と「実施マニュアル」の2部構成となっている。

報告原則および標準開示項目
実施マニュアル

※GRIのWebサイトへリンク

第一部:報告原則と標準開示項目

・本ガイドラインに「準拠」してサステナビリティ報告書を作成する際に適用すべき基準
・報告原則:重要性(マテリアリティ)、ステークホルダーの包含性、持続可能性の状況及び網羅性といった報告内容に関する原則と、バランス、比較可能性、正確性、タイミングの適切性など、報告される情報の品質に関する原則が簡潔なテストとともに掲載されている。
・標準開示項目:「戦略および分析」「組織のプロフィール」「特定されたマテリアルな側面とバウンダリー」などの一般標準開示項目と、経済面、環境面、社会面の具体的開示項目を示した特定標準開示項目が掲載されている。

第二部:実施マニュアル

・報告原則:各原則をどのように適用するかが記載されている。
・標準開示項目:開示情報を特定するための手引きや、編集方法、考えられる情報源などを掲載している。特に「特定されたマテリアルな側面とバウンダリー」では、詳細な特定ステップが示されている。
・参考文献、用語集および報告に関する一般留意事項も掲載されている。

G4セクターディスクロージャー
10の業種について、業種固有の開示項目が掲載されている。
G4セクターディスクロージャー


GRIスタンダードへの改定ポイント

  • GRIスタンダードは、共通スタンダード(100シリーズ)、経済項目(200シリーズ)、環境項目(300シリーズ)、社会(400シリーズ)で構成されている。
  • 各開示項目について、必須の開示内容として書かれた「要求事項」、推奨されるが要求されない措置について書かれた「推奨事項」がある。
  • 一連のスタンダードを一つのセットとして使用するだけでなく、一部の開示項目のみを使用することも可能としている。
  • 準拠して作成したと主張するためには、該当するすべての要求事項を満たす必要がある。(準拠して報告書を作成したことを主張するにあたり、推奨事項や手引きの遵守は求められない)。

【関連記事】GRIスタンダード:サステナビリティ報告で外せない必須情報

沿革・今後

1997年
草案発表
2000年
GRIガイドライン第1版発行
2002年
GRIガイドライン第2版発行
2006年
GRIガイドライン第3版発行
2011年
GRIガイドライン第3.1版発行
2013年
GRIガイドライン第4版発行
2016年
GRIスタンダード発行
GRI日本フォーラム※がGRIスタンダード和訳版を発行

※ GRIとの連携などを通じて、日本における持続可能な社会の構築を目指し活動するNPO法人。2007年に名称を「サステナビリティ日本フォーラム」に変更。

GRIは2016年12月にスタンダードの改訂などを含む「GSSB Work Program 2017-2019」を発表しており、GRI 403「労働安全衛生」・GRI 303「水」についての検討が始まっている。
GSSB Work Program 2017-2019

2018年7月1日までは、ガイドライン第4版(以下G4ガイドライン)及びGRIスタンダードが使用可能であるが、GRIではこれより早期のスタンダード採用も奨励している。

Ⅲ. 企業の対応

世界共通のガイドラインであり、グローバル企業の多くがこのガイドラインに準拠している。特に日本においてGRIを参照とする企業は多い。
ただし、GRIガイドラインは世界共通のガイドラインであるため、日本国内を主な活動拠点とする組織にとっては参照しがたい項目も一部ある。CSR/環境報告書の作成にあたっては、サステナビリティ報告を行う対象・目的を明確にし、それらに適合するようにGRIガイドラインを参照とすることが望ましい。

GRIガイドラインを参照している企業のリスト

GRIレポート・リスト(データベース)

本リストは、KPMGあずさサステナビリティにより提供されている。KPMGあずさサステナビリティは、GRIの活動に賛同し、GRIガイドラインに準拠して作成されるレポートの認知を広げるという目的で、2009年10月にGRIのデータ・パトーナーとなっている。


GRIスタンダードを活用しているレポート事例

GRIのウェブサイト上にあるデータベースから検索することができる。
GRI Disclosure Database

GRIスタンダードを活用している国内の事例(2017年度版レポートにて)

●Core準拠で省略の理由も記載されている事例

SOMPOホールディングス株式会社
「GRI内容索引」

●準拠ではなく参照だが、該当箇所の表現がページではなく項目であり、具体的な事例

富士通株式会社
「GRIスタンダード/ISO26000/国連グローバル・コンパクト対照表」

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