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持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)

Ⅰ. 正式名称

持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)

Ⅱ. 概要

発行者

国連
http://www.un.org/sustainabledevelopment/

目的

持続可能な開発目標(SDGs)とは、193の国連加盟国が2015年9月、ニューヨークの国連本部で開催された「持続可能な開発サミット」で正式に採択されたアジェンダを指す。17の目標と169のターゲットで構成され、2016年1月1日よりスタートし、2030年12月31日を達成予定としている。

SDGsは、ミレニアム開発目標(MDGs)の成果を土台としており、「将来の世代がそのニーズを満たす能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発」と定義され、その達成のためには経済成長、社会的包摂、環境保護という3つの核となる要素の調和が欠かせない。そのため、SDGsはこれら3つの面をカバーしている。

17の目標において、不平等や経済成長、働きがいのあるきちんとした仕事、都市と人間居住、工業化、海洋、生態系、エネルギー、気候変動、持続可能な消費と生産、平和と正義に取り組むという意欲から、さらに幅広い分野を対象としたものになっている。つまり、SDGsは普遍的であり、すべての国々に適用されるのに対し、MDGsは開発途上国における対策が意図されていた。

2030年を目標年に、国際社会共通の目標として、世界中の国やさまざまな主体が、よりよい世界の実現に向けて議論を交わし、行動を起こしていくことが期待されている。

対象

政府や市民社会、民間セクターその他、すべてのステークホルダーが2030アジェンダの実現に貢献することを期待されている。民間企業の活動や投資、イノベーションは、生産性及び包摂的な経済成長と雇用創出において重要な鍵であり、問題解決のための創造性とイノベーションを発揮することが求められている。

内容

持続可能な開発目標(SDGs)は、「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」「乳幼児死亡率の削減」「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」など、2030年までに達成すべき17の目標(ゴール)と、169のターゲットを掲げている。この目標の根本的な要素は 「人間」「地球」「豊かさ」「平和」「パートナーシップ」である。

SDGsのゴール

目標 1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
目標 2.飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
目標 3.あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
目標 4.すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する
目標 5.ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
目標 6.すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
目標 7.すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
目標 8.包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
目標 9.強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
目標 10.各国内及び各国間の不平等を是正する
目標 11.包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
目標 12.持続可能な生産消費形態を確保する
目標 13.気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
目標 14.持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
目標 15.陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
目標 16.持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
目標 17.持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

沿革・今後

2015年を目標年度としていたMDGsについて2015年7月には「ミレニアム開発目標報告2015」が発行され、この15年間の取り組みによって世界では10億人以上が飢餓から抜け出すことができ、開発途上地域の栄養不良は1990年からおよそ半減した、と報告された。

並行して2015年以降のポストMDGsに向けた議論も行われており、2012年6月に開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する議論がなされていた。

2014年 オープン・ワーキンググループは1年を超える交渉を重ね、17のSDGsに関する提言が出される(7月)
2015年 MDGsの目標達成期限として、「ミレニアム開発目標報告2015」が発行される(7月)
ニューヨークの国連本部で「誰も置き去りにしない、新たな持続可能な開発アジェンダ」としてSDGsが採択される(9月)
2016年 SDGs施行(1月)
SDGs推進本部「SDGs実施指針」公表(12月)
2017年 日本経済団体連合会、SDGsを反映して「企業行動憲章」「実行の手引き」を改定(11月)
SDGs推進本部「SDGsアクションプラン2018」公表(12月)

一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)は2016年以降、加盟企業のSDGs実態調査をまとめたレポートを毎年発行している。
2023年3月公開の「SDGs進捗レポート2023」のポイント

  • 従業員数5,000名以上の企業において経営へのSDGsの組込みが進んでいることが示された。
  • 一方で、半数以上がSDGsへの貢献目標に対する実績と役員報酬を結び付けていないという課題が明らかになった。
  • また、企業がSDGsを進めるうえでサプライチェーンへの働きかけや協業が重要である一方で、取り組みが不足していることも指摘されている。
  • 国際的組織(国際連合関係機関)

    国際連合
    SDGsを含む「アジェンダ2030」が採択された場。2015年9月、全加盟国(193か国)によって採択した。

    国連広報センター(UNIC)
    国際連合広報局下で国連の活動全般にわたる広報活動を行うため、世界の約60か国に設置されている機関。日本にも事務所がある。

    IAEG-SDGs
    Inter-agency Expert Group on SDG Indicatorsの略。SDGsの目標及びターゲットに対する個別指標の設定、そのメタデータ(データ/指標そのもに関する情報)を取りまとめている。

    国際的組織(国際連合関係以外)

    国連グローバル・コンパクト
    各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組み。SDGsをはじめとする国連の掲げる目標の達成に向けて活動を推進している。

    Local SDG Pioneersプログラム
    国連グローバル・コンパクトが運営するプログラムの1つ。持続可能な開発に貢献しながら、ビジネスの成功を示せた地域のビジネスリーダーやチェンジメーカーを選定し、表彰。

    WBCSD
    World Business Council for Sustainable Development(持続可能な開発のための世界経済人会議)の略。産業界の持続可能な発展への取り組みをリードする組織。SDGsの目標達成に向けたプラットフォーム「SDG Business Hub」を運営。

    SDG Business Hub
    WBCSDが運営する、企業向け情報サイト。

    日本国内の政府関連組織

    持続可能な開発目標(SDGs)推進本部
    SDGsに係る施策の実施を総合的かつ効果的に推進するため、首相官邸に設置された組織。

    外務省「JAPAN SDGs Action Platform」
    国内のSDGsに関する取り組みを紹介するサイト。

    環境省「SDGsステークホルダーズ・ミーティング」
    環境側面からのSDGsの実施を推進するために、民間企業をはじめ、さまざまな立場から先行事例を共有する会合。

    日本国内の政府外組織

    グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
    国連グローバル・コンパクトの日本組織。
    2016年以降、加盟企業のSDGs実態調査をまとめたレポートを毎年発行している。

    SHIP
    SDGs Holistic Innovation Platformの略。企業の技術・ノウハウで、世界中の課題の解決を目指すオープンイノベーション・プラットフォーム。一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)と国連開発計画(UNDP)が、多くのパートナーとの協働により運営。

    IGES SDGsプロジェクト”Aspiration to Action”
    IGESは、Inter-agency Expert Group on SDG Indicatorsの略。持続可能な開発目標(SDGs)の「実施手段(means of implementation)」に焦点を当て、開発目標とターゲットの効果的な実施に向けて、多様なステークホルダーやパートナーと協働し、積極的な提案を行っていくとしている。 SDGコンパスの和訳やGCNJの「SDGs進捗レポート」の作成にも協力。

    経済団体連合会「Society 5.0 for SDGs」
    経団連では、Society 5.0の実現を通じてSDGsを達成する、「 Society 5.0 for SDGs」を推進しています。経団連は会員企業・団体がSDGs達成に向けて取り組んでいる多種多様な事例をご紹介するプラットフォームを運営しており、事例集「Innovation for SDGs」をはじめ、「チャレンジ・ゼロ」などの環境問題への取組み、働き方改革など、様々な分野に関係する企業・団体の事例を掲載しています。

    ■産業別手引き


    エネルギー・天然資源・化学産業

    ヘルスケア・ライフサイエンス産業

    運輸・輸送機器産業

    気候変動対策

    金融サービス

    食品・飲料・消費財業界

    製造業SDG

    ■SDGコンパス


    SDGコンパス SDGSの企業行動指針

    ■情報開示関連ツール


    AN ANALYSIS OF THE GOALS
    AND TARGETS

    INTEGRATING THE SDGs INTO
    CORPORATE REPORTING

    上記資料の和訳「ゴールとターゲットの分析」はこちらから ダウンロードできます。


    持続可能な開発目標 CEO向けガイド

    SDGs達成に向けた日本への処方箋