レポート事例集

持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2016) 参加報告

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2016年7月12日~13日にかけて、第8回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2016)が開催されました。ISAP2016は、国際的に活躍する専門家や企業、政府、国際機関、NGO関係者が一堂に会し、持続可能な開発についてアジア太平洋地域の視点から議論を行う国際フォーラムです。今回は、「Translating Knowledge into Actions towards 2030 and beyond」をメインテーマとし、持続可能な開発目標(SDGs)とパリ協定の成果をどのように効果的に実行に移していくかについて議論されました。
ここでは、初日に開催されたダイアログの内容をご報告します。


①パリ協定とは

パリ協定は、2015年12月、第21回気候変動枠組条約の締結国会議で新たに採択された法的枠組みで、主に以下のような内容となっています。

  • 世界共通の長期目標として、2℃より十分下方に保ち、また1.5℃に抑える努力を追求する
  • 主要排出国を含むすべての国が自主的な削減目標(INDC)を定め、5年ごとに提出・更新し、共通かつ柔軟な方法でその実施状況を報告する
  • 先進国が引き続き資金提供することと並んで、途上国も自主的に資金を提供する
  • カーボンプライシングなどを含む、排出削減へのインセンティブの重要性を認識する

②パリ協定が合意に至ったポイント

途上国も含むすべての国が自主的な削減目標を定めたのは、気候変動の緩和に向けた大きな一歩といえます。このような合意に至ることができた理由としては、以下が挙げられます。

  • タイでの大気汚染対策、インドでの貧困対策など、気候変動対策が国益になると認識されたこと
  • 5年ごとに目標を見直せるなど、柔軟な対応が可能であること
  • アメリカ・中国とは国家の5カ年計画とのタイミングが合っており、参加がスムーズだったこと

ただし、実施にあたってはデータ不足が最大の課題となっており、まずは情報収集から始める必要があるようです。


③日本における対応

日本ではパリ協定を踏まえ、地球温暖化対策推進法が2016年5月に改正されました。以下が主な改正内容となっています。

  • 普及啓発活動の強化
  • 国際協力を通じた地球温暖化対策の推進
  • 地域における地球温暖化対策の推進

日本の政府や企業には、これまでの経験や技術の提供だけでなく、日本企業が事業を展開している特に東南アジアの持続可能な発展への貢献が期待されています。


その期待に応えるためには、イノベーションにつながるカーボンプライシング・炭素税などの制度設計や、政府、研究機関、企業、自治体、NGO・NPOといった、さまざまな団体が参加できるプラットフォームの構築など、国際社会において日本が活躍しやすい場づくりの必要性が示されていました。


聴講したダイアログ

「持続可能な社会の実現に向けて」
・ロランス・トゥビアナ, 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)特別代表/持続可能開発・国際関係研究所(IDDRI)創設者
・カーべー・ザーヘディ, 国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)持続可能な開発担当事務局次長
・浜中 裕徳, IGES理事長

「気候変動に対処するための行動:主要ステークホルダーの役割」
・ハンス・ヨアヒム・シェルンフーバー, ポツダム気候変動研究所所長
・住 明正, 国立環境研究所(NIES)理事長
・加藤 茂夫, 株式会社リコー執行役員/サステナビリティ推進本部長
・梅本 和秀, 北九州市副市長
・玉木 林太郎, 経済協力開発機構(OECD)事務次長
・西岡 秀三, IGES研究顧問
・田村 堅太郎, IGES関西研究センター副所長/気候変動とエネルギー領域エリアリーダー

【参考ページ】地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について(お知らせ)

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