CSRレポート調査データ

環境報告書/CSRレポート2007 白書

社会・地球にとっても、企業にとっても重要な課題を情報開示することで、企業は信頼され、必要とされる

弊社では2002年から当白書を発行しており、今回で6回目となる。

周知の通り、この間で「環境報告書」は「社会環境報告書」「CSRレポート」へと変化した。自社の環境負荷削減活動に関する「環境報告」だけでなく、消費者保護、人権配慮、労働条件、社会貢献などの「社会性報告」を含む企業活動全般に関わるものになった。今回の調査で法報告書のタイトルをみると、「CSRレポート」は44.7%と半数近くを占めたのに対し、「環境報告書」「環境経営報告書」は12.3%と大幅に減少している(6ページ参照)。

しかし、詳細を見るとまだ情報開示がされてない分野も少なくない。例えば従業員に関する情報開示では、男女比は27.7%、女性管理職の割合は19.0%とまだまだ少ない結果となっている(25ページ参照)。またグローバルに活動する企業は世界各国に事業所を持つが、国別・地域別の従業員の割合を掲載する企業は4.0%にとどまっている。

上記のような日本での少子高齢化や企業活動のグローバル化に関連することは企業がCSRを果たすうえで重要な取り組みの一つであり、それを示す数値は報告書にとって必要なものといえる。こうした面をみても、タイトルは変化したが、報告書の内容はまだ発展途上の段階の部分もあるといえる。

一方、GRI(※)ガイドライン2006年版の編集方針で「マテリアリティ(重要性)」という言葉が用いられるようになり、社会・地球にとっても、企業にとっても重要なものを優先して報告することが奨励されている。こうした流れを受けて、自社の取り組みを「特集」や「トピックス」を設け、読者に訴求しようとする企業は6割近くみられるが(28ページ参照)、上記の従業員に関する調査結果の例をみても、必ずしも社会・地球の課題と一致してないものもあるのではないか、と筆者は感じる。

CSRはCorporate Social Responsibilityの略で「企業の社会的責任」と訳されるが、Responsibilityには「信頼」の意味もある。社会・地球にとっても、企業にとっても重要な課題は何か、それにどう取り組んでるかを報告書で情報開示し、読者から信頼される。それによって企業は社会にとって必要な存在となり、持続可能な社会を担う一員としての責任を果たすことになるのではないか、と筆者は考えている。

※GRI(Grobal Reporting Initiative)
世界各国の世界各国のコンサルタントや経営者団体、企業、NGOなど、多様なステークホルダーで構成されている組織。「経済」「環境」「社会」の三つの側面について、全世界で通用する「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン」を作成し、企業に奨励している。

株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)
サステナビリティ・コミュニケーション事業本部
企画事業部 企画調査室
主任研究員/シニアプランナー
筑紫透

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