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セミナー「2013年度版 日本における統合報告の事例分析~企業が準備すべき統合報告の在り方を探る~」開催報告(1)(2014/5/28)

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右から山崎氏、小杉氏

2014年5月28日、弊社にて統合報告をテーマにしたセミナーを開催いたしました。

前半は、企業のESG情報開示に造詣の深いESG/コーポレートガバナンスコンサルタントの山崎様から、「ESGコミュニケーションと統合報告」と題してご講演頂きました。続いて2013年度版の日本の統合報告書について、IIRCのフレームワークに基づいた独自の調査結果をご報告。後半では、情報実際に統合報告書を発行した日本郵船株式会社 広報CSRグループの小杉様をお迎えし「投資家視点を踏まえた開示情報とは」を題材にディスカッションを実施しました。

本報告では、後半のパネルディスカッションについて2回にわたって概要をお伝えします。(以下、敬称略)


日本郵船の「NYKレポート」について

小杉:日本郵船の会社概要から。日本郵船は海陸空で「ものはこび」をする会社で、海運業が7割を占めます。CSRは実際の経営とつなげて進めていまして、CSR専任部門が設置されてから今年で10年がたち、現在は統合レポートに向けてチャレンジしているところです。2013年に統合報告書発行に移行した理由には、下記の3点が挙げられます。

  • 2013年度は前中計の最終年度だったというタイミングでもあり、当社をより多くの人に知ってもらい理解して欲しいと考えた
  • 適切な情報開示(財務+非財務)を求める動きが高まってきたこと
  • ユーザーの利便性への配慮が求められたこと

統合報告書というのは基本的には投資家向けの発行ですが、NYKレポートでは「マルチステークホルダー」向けに作成しているのが特徴です。制作にあたっては広報CSRとIRグループによる「制作委員会」を設置し、秋頃から制作を進めています。また、財務情報と非財務情報を統合させた本レポートは、ホームページでもPDFとして公開しています。

2013年度の特徴としては、「価値創造の現場に迫る」という特集を掲載したことです。バリューチェーンにおける「リスクと機会」、そしてISO26000の中核主題との関連がわかるように表現しました。

さらに、中立的な立場から社外取締役のメッセージをいただいた点も、外部からご評価いただきました。ユーザー、主にここでは従業員からの声ですが、「分かりやすくなった」という意見も寄せられました。ユーザーの利便性向上という意味で、Bloomberg ESG開示スコアが向上するなどの成果もありました。

一方で、ビジネスモデルの表現方法やWEBの活用、信頼性を担保する方法などの課題も残っているという認識です。

山崎:NYKのレポートは、さまざまな会社が参考にしている優れたレポートだと思います。特にバリューチェーンの説明のなかでESGの重要課題を示していることと、社外取締役からのメッセージを掲載されていることは評価できます。

社外取締役からのメッセージは、投資家から要求されています。例えば、イギリスでは筆頭独立取締役(=社外取締役)に対するIRミーティングが開かれています。社外取締役は少数株主の利益代表という立場であり、その立場を踏まえた社外取締役からのメッセージを掲載していくことが重要なポイントといえますね。


WEBメディアの効果的な利用とは

YUIDEA:日本郵船様の課題に「WEBの活用」とありましたが、その点いかがでしょうか。

山崎:結論から申し上げると、詳細な情報はWEBで網羅的に開示するのが良いでしょう。忙しい投資家たちは、「レポートは1時間程度で読めるものが良い」と要望しています。一方、NGOやNPOの方々などからは、さまざまなESG課題に対する詳細な情報が求められます。

これらの詳細なESGへの取組みの情報開示は積極的に行うべきです。そのためレポート自体には重要なもののみを記載し、詳細な情報は「WEBに掲載されていること」が分かるように誘導を入れておくと良いでしょう。


※セミナー「2013年度版 日本における統合報告の事例分析~企業が準備すべき統合報告の在り方を探る~」開催報告(2)へ続く


【開催概要】

日時:2014年5月28日(水)16:00~18:20
会場:株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス) 本社会議室(東京都文京区)
登壇者:ESG/コーポレートガバナンスコンサルタント 山崎 直実様
    日本郵船株式会社 広報CSRグループ 小杉 和枝様
    [モデレーター]
     株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス) CSR革新室アドバイザー
主催:株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)

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「CSR革新室」とは、CSRコミュニケートを運営する株式会社YUIDEA(ユイディア)内にある1つの部署です。よりよい社会づくりに貢献すべく、企業のCSR活動、CSRコミュニケーションの革新を支援しています。

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