マテリアリティ特定は増えている?どんな表紙がいい?2014年版CSRレポート
気がつけば8月、早いものですね。6月末をピークに多くの企業がCSRレポートを発行しており、私たちCSR革新室でも各社のホームページを確認し、2014年版のトレンドを探っているところです。取り急ぎ50社ほど、パラパラと目を通しました。その印象をお伝えしたいと思います。
まだ特定プロセスの途中だから開示していない?
昨年の春にG4が正式公開された影響を受け、今年度からマテリアリティ特定に取り組む企業は増えていると見込んでいますが、報告書上ではあまりその傾向は読み取れませんでした。
もちろん以前から取り組んでいる東芝のように、そのプロセスと結果を報告している事例もあります。
次年度(2015年版)はもちろんですが、今秋以降に発行する企業が具体的なマテリアリティ特定プロセスや特定された重要課題を掲載してくるか、注視したいところです。
マテリアリティより目立っていたのは、バリューチェーン、サプライチェーンに関する報告や、事業と社会のつながりを表現した報告です。マテリアリティを特定するには、事業活動が社会から受けるインパクトと、反対に社会に与えるインパクトを把握するというステップがあります。そのプロセスとして、ステークホルダーとの関係分析を進めていることが背景としてあるのかもしれません。
レポート表紙デザイン勝手アワード
さて、多くのCSRレポートを見ていて印象に残るのは、実は表紙だったりします。PDFファイルをアーカイブしていったときに、アイコンの画像だけでどの企業か判別できると調査する側としては大変便利です。というわけでエコほっとラインが実施しているレポート表紙デザインアワードを模して、私の独断と偏見で選んでみました。
1位 大日本印刷 CSR報告書2014
同社の表紙は、広告関連の表彰を受けている実績ある様々なクリエイターが、3年シリーズでデザインしています。DNPカラーの青は外さずに、ピンク色が鮮やかな花との対比が非常に印象的です。前回のシリーズも見ていた身としては、テイストの違いにも目を奪われました。軸を固定しつつ時代とともに変化する、企業の在り方を垣間見たような気がします(大袈裟?)。
目次ページ周辺に表紙デザインの背景にあるストーリーを記載して、きちんと伝えている点にも好感をもちました。
2位 サントリー CSRレポート2014
CSRに数年携わっている方に「水をテーマにCSR活動をしている企業といえば?」と聞けば「サントリー!」と答えが返ってくるのではないでしょうか。やはりこれまでの表紙もコーポレートカラーを基調にした水を連想するグラフィックでしたが、2014年版は鳥や人間や魚などさまざまなモチーフが取り入れられました。
これも毎年CSRレポートを見ている編集長のヲタクな視点かもしれませんが……水という天然資源が、さまざまな生物や森や人間の営みと関係していることが伝わってきます。
3位 日本化薬 CSRレポート2014ダイジェスト
朝日をうけて湯気がのぼる川を歩くバイソン……凄い迫力です。
事業とどう関係しているの?と思う方もいるかと思いますが、この写真、実は従業員の方が撮影なさったものなんです。プロ級の腕前ですね!
表紙写真を応募するという形でCSRレポート制作に関与してもらうと「従業員に読まれる」ことが期待できます。また、従業員の顔とコメントを紙面に掲載する方法は、従業員に読まれるための基本的なテクニックです。
以上、ごく端的ではございますが2014年版のご紹介でした。参考にしていただけましたでしょうか。
お知らせ
2014年版のCSRレポートを読む会、第1回は8月22日に開催します。まだお席に余裕がございますので、ぜひご参加くださいませ。また9月以降も開催したいと考えていますので、お知らせをお見逃しなく!
さらに、実はCSRコミュニケート、リニューアルします。しかも近日中に。新コンテンツ「レポート事例」では具体的なCSR報告・統合報告の表現の仕方などをご紹介していく予定です。ぜひこちらもチェックしてください!
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