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CSR報告書調査データ2014第1報「コミュニケーションツール編」

日本では毎年およそ1,000社がCSRレポートを発行していると言われています。さすがに1,000社とはいきませんが、株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)では、毎年CSR先進企業と呼べる100社を選定し、サステナビリティレポートや統合報告書も含む「CSRレポート」を独自調査しています。

今回はその中から、CSRレポートのコミュニケーションツールに関する調査結果をご紹介します!

なお、諸々の都合で2013年版・2014年版の全編は来月公開をめざして目下準備中でございます(ご期待いただいている方、お待たせしており大変恐れ入ります)。2012年版までの調査結果はCSR報告書調査データに掲載しています。


統合版の増加

まず2014年版の調査結果をご紹介するにあたって、説明しておかなければならないのが「統合報告書」の増加です。「統合報告書」とは何か、ひとことで言うと、投資家をはじめとするステークホルダーに財務情報だけでなく非財務情報も一緒に企業価値として伝えるツールです(本調査では統合版と呼んでいます)。アニュアルレポートとCSRレポートを一冊にしたものが多いのですが、会社案内の役割を果たしている場合もあります。詳しい説明はこちらをご覧ください。2012年版の調査では100社中13社とまだまだ少数でしたが、2014年版ではアニュアルレポート・会社案内との統合版をあわせて43社に上りました。今回の調査では、CSRレポートと統合版の違いをみるため、一部のデータを分けて集計しています。


発行月

CSRレポートの発行は、株主総会が開催される「6月」が16社と最も多い結果となり、「8月」が14社とこれに続いています(図表1)。しかし、昨年は22社が6月に発行していたものが減少し、「7月」が11社、「9月」が12社となった数字を踏まえると、6月~9月にかけて発行時期の幅が広がって来ているといえます。一方、統合版は「7月」発行の企業が16社と最も多く、次いで「8月」が14社と発行時期は比較的集中しています。

図表1 発行月

情報開示の手段~情報を開示する媒体

情報開示の媒体について(a)~(d)に分類したところ、冊子にほぼほぼ一通りの情報を掲載している「(a)フルレポートの冊子を発行」が56%と最も多く、次いで印刷していない「(d)WEBのみ」が24%でした(図表2)。

CSRレポート・統合版に分類した結果も、どちらにおいても「(a)フルレポートの冊子を発行」が最も多く、「(d)WEBのみ」が増加傾向にあります。「(a)フルレポートの冊子を発行」する企業は、CSRレポートと統合版の両方で昨年に比べて減っています。CSRレポートでは半分以上の企業が、フルレポートの冊子は印刷しない、という選択をしていることになります。

ただし、企業によっては、最低限の必要な部数をオンデマンド印刷し、関係者のみに提供していることがあります。本調査ではPDFの裏表紙などを見て、再生紙や環境配慮印刷などのマークがある事例を「冊子」とカウントしているため、「実は100冊だけ印刷しています」という事例は掬いきれていない点をご理解ください。

図表2 冊子(紙媒体)の発行状況

情報開示の手段~冊子(紙媒体)のページ数

CSRレポートについては、冊子を発行している企業のうち、「フルレポート(冊子)n=30」の平均ページ数は約56ページ、「ダイジェスト(冊子)n=13」の平均ページ数は約30ページでした(図表3)。

統合版については、発行している企業のうち、「フルレポート(冊子)n=34」を発行している企業の平均ページ数は約79ページとCSRレポートより多いことがわかりました。一方、統合版の「ダイジェスト(冊子)n=6」を発行している企業の平均ページ数はCSRレポートとほぼ等しい31ページでした。

図表3 冊子(紙媒体)のページ数

いかがでしたでしょうか。統合版の増加によって過去のデータと純粋に比較することが難しくなってきましたが、紙と電子メディアとの使い分けが進んでいることは確かです。電子メディアも、従来のホームページだけでなくタブレット版を提供している企業もあります。こういったコミュニケーションツールの使い分けからは、「誰に、どうやって」伝えようとしているのか、会社の想いや本気度を感じることができる気がします。

    本調査の調査方法は以下のとおりです。

    調査対象:
    【調査企業抽出条件】
    次の表彰制度およびランキング、売上規模ごとに1点ずつ加算し抽出
    第15~17回「環境コミュニケーション大賞」受賞企業
    第14~15回「グリーンリポーティングアウォード」受賞企業
    東洋経済「CSR企業ランキング」 2014年度上位100社(トップ20社にはさらに1点加算)
    Robeco SAM 「Sustainability Yearbook 2013・2014」掲載企業
    2012~2014年度決算連結売上高1兆円以上

    調査方法:資料調査(定量調査)

    調査項目:14項目
    発行月/構成/情報を網羅する媒体/冊子(紙媒体)のページ数/発行媒体の多様化/ステークホルダーエンゲージメントの状況/マテリアリティ特定の掲載/目標・実績一覧の掲載/KPI(主要業績評価指標)の掲載/人権に関する記載/Topics 女性の活躍推進に関する記載/第三者意見・第三者保証の掲載/ISO26000の活用状況/GRIガイドラインの活用状況

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「CSR革新室」とは、CSRコミュニケートを運営する株式会社YUIDEA(ユイディア)内にある1つの部署です。よりよい社会づくりに貢献すべく、企業のCSR活動、CSRコミュニケーションの革新を支援しています。

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