こちらCSR革新室

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CSR報告書調査データ2014「掲載コンテンツ編」

株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)でCSR先進企業100社を抽出して独自に調査している「CSR報告書調査レポート」。前回はコミュニケーションツールに関する調査項目、いわば「ハード」の面を紹介しました。そこで第2報となる今回は、「ソフト」の面といえる掲載コンテンツについてご紹介します。


ステークホルダーエンゲージメントの状況

CSR経営に欠かせない概念ともいえるステークホルダーとのエンゲージメントに関する情報開示方法について、次の4つに分類して調査しました。
(a)課題・貢献・責任なども記載 例:富士フイルムホールディングス
(b)対話の機会を記載 例:旭硝子
(c)ステークホルダーのリストのみ 例:花王
(d)開示無し

図表1 ステークホルダーエンゲージメントの状況

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ステークホルダーのリスト

100社のうち85%がどういったステークホルダーを認識しているかを記載していました(図表1)。CSRレポートと統合版をわけて集計してみると、CSRレポートでは93%の企業がステークホルダーのリスト(お客様、取引先、従業員、地域・社会といったステークホルダー・グループを列挙しているページ)掲載以上の対応をしている(例:ステークホルダーのリスト 引用元 http://www.kao.com/jp/corp_csr/csr_action_02.html )のに対し、統合版では開示していない企業が26%存在していることがわかりました。


人権に関する記載

社会のグローバル化の進展に伴い、人権は企業にとって重要なCSRのテーマとなっています。ISO26000で中核主題のひとつに入ったことはもちろん、「ビジネスと人権に関する指導原則」が国連で承認され、いよいよ無視できない状況です。

GRIガイドラインでも「サプライヤーの人権評価」がアスペクトとして挙げられており、調達先をはじめとしたサプライチェーンでの人権評価に取り組む企業は増えています。

人権という言葉を含めた見だしを立てて報告している企業は81%となり、例年どおり大変の企業が人権について何かしらの報告をしていることがうかがえます(図2)。

これからの人権に関する取り組みは、バリューチェーンの各段階で人権リスクを整理するなどのデューディリジェンスや、「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿った取り組みをすすめているか、で差がついてくると考え、本年から「(a)デューディリジェンスなどの具体的な活動がある」かを調査したところ、23%が該当しました。この数字には研修や教育テーマとして人権を取り上げたり、CSR調達の一環で行った取り組みは含めていません。

図表2 人権に関する記載

第三者意見・第三者保証の掲載

CSR情報を開示している企業は、より効果的なコミュニケーションのために、有識者などから報告書に対するレビューを受ける場合があります。第三者意見を掲載している企業は、2012年度の調査から50%台と横ばいです。一方、開示データの信頼性を確保するための第三者保証については、保証を受けたことを証明する報告書を掲載している企業は49%であり、やや増加傾向にあります。

2014年度はその掲載媒体についても調査したところ、第三者意見は「(a)冊子とウェブで開示」が33%、「(b)PDF/ウェブのみで開示」が22%となり、冊子に掲載する企業の方が多いという結果になりました。これに対し、保証報告書の掲載媒体は「(a)冊子とウェブで開示」が22%、「(b)PDF/ウェブのみで開示」が27%と、ウェブのみで開示している企業が多くなっています。第三者意見はステークホルダーとのコミュニケーションという視点でプッシュ型メディアである冊子に掲載し、第三者保証は信頼性担保の視点からウェブでの開示でとどめている、という仮説が考えられます

図表3 第三者意見・第三者保証の掲載
※2013年までは開示媒体の分類はしていない

いかがでしたでしょうか。企業の担当者の方は、そろそろ具体的にどういった要素を掲載するか企画検討されている時期かと思います。もちろんCSRレポート・統合報告書に何を掲載するか?は、自社の編集方針に沿って、冊子とWebのメディア構成、ツールのコンセプトを考慮して決定されるのが一番です。あとガイドラインやイニシアチブが求めている情報開示も大切です。そんなとき発信する側が直面するのが、あれもこれも……全て載せきれない!何を優先したらいいの!という課題。情報の取捨選択にあたって、ひとつの参考にしていただればと思います。あくまでひとつの参考として。


なお、2013年版・2014年版の全編は目下準備中です。2012年版までの調査結果はCSR報告書調査データに掲載しています。

    本調査の調査方法は以下のとおりです。

    調査対象:
    【調査企業抽出条件】
    次の表彰制度およびランキング、売上規模ごとに1点ずつ加算し抽出
    第15~17回「環境コミュニケーション大賞」受賞企業
    第14~15回「グリーンリポーティングアウォード」受賞企業
    東洋経済「CSR企業ランキング」 2014年度上位100社(トップ20社にはさらに1点加算)
    Robeco SAM 「Sustainability Yearbook 2013・2014」掲載企業
    2012~2014年度決算連結売上高1兆円以上

    調査方法:資料調査(定量調査)

    調査項目:14項目
    発行月/構成/情報を網羅する媒体/冊子(紙媒体)のページ数/発行媒体の多様化/ステークホルダーエンゲージメントの状況/マテリアリティ特定の掲載/目標・実績一覧の掲載/KPI(主要業績評価指標)の掲載/人権に関する記載/Topics 女性の活躍推進に関する記載/第三者意見・第三者保証の掲載/ISO26000の活用状況/GRIガイドラインの活用状況

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YUIDEA
「CSR革新室」とは、CSRコミュニケートを運営する株式会社YUIDEA(ユイディア)内にある1つの部署です。よりよい社会づくりに貢献すべく、企業のCSR活動、CSRコミュニケーションの革新を支援しています。

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