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IIRC「国際統合報告フレームワーク」基準でのベンチマーク調査(まとめ)

これまで6回にわたって、IIRC国際統合報告フレームワークを基準とした2014年版統合報告書のベンチマーク調査について、結果を紹介してきた。今回はそのまとめを報告する。


改めて考えるべき「統合報告」の目的

今回、『IIRC「国際統合報告フレームワーク」基準でのベンチマーク調査(2014年版)』を行い、その報告もしてきたのであるが、もう一つ、大きな示唆が得られた。

私たちが選定した企業において「CSRレポートベース」「コーポレート型」が一定の社数見られたことである(表【ステップ別 企業一覧】を参照)。それぞれ「マルチステークホルダー型」というべきものであり、それぞれ「ファンづくり/ブランディング/全般的なコミュニケーション」や「販売増/プロモーション」、共通して「従業員採用」への貢献を期待でき、現にそれらを目的として「統合レポート」を作成している企業も数多く存在する。

つまり、「統合報告」と一口に言っても、目的や用途は様々であるということが今回明らかになった。その点から言えば、まず考えるべきは「統合報告」を形にし、情報を伝える対象者の明確化であり、配布や情報の伝達によって得られる効果・成果を設定し、その最適な方法として「統合報告」をどのように取り扱うかを決定していく必要がある。


実現に向けた体制

現状では、「統合思考」を実現するために、まずは経営企画、IR、広報、CSR、事業部などのそれぞれの壁を取り払い、レポートという形にするという目的を持って、組織的な「統合思考」実現への足がかりにするという話もよくきく。

確かに、経営層、経営意思決定機関に関わる方々を巻き込み、その考えを明文化し、イメージを共有するためにレポート制作プロセスを利用することは、ある種のマネジメントツールとして有効といえる。形にした後に、改めてその開示情報の有効性や効果を検証していけば、上記の目的、手段の最適な選定につながっていくはずであり、その順序はそれぞれの組織の置かれている状況に応じて判断していくことになる。

いずれにしてもIIRCのフレームワークに対応するには業務レベル、場合によっては経営レベルで相当の負荷がかかり、すべての要求を満たそうとすれば、それは大きな負担にもなりうる。まず、目的を明確にした上で取り組むことが重要であり、これが不明確なまま、中途半端に取り組むことだけは避けたい。


メディア設計の視点

最後に、今回「報告書」に注目して議論を進めてきたが、実際にはウェブサイト等も含めたメディア設計を欠かすことができない。特にCSR関連情報について、IIRCフレームワークにもとづき、「統合報告書」をベースに考えると、必要な要素が大きく減ったような錯覚にも陥る。

しかし、フレームワーク自体は「統合報告書は、他のコミュニケーション(例えば、財務諸表、サステナビリティ報告書、アナリストコール、又はウェブサイト)の要約にとどまらないものとして、意図されている」、「統合報告書は、統合報告書として指定されたコミュニケーションとは別に開示される、より詳細な情報への『エントリー・ポイント(導入部)』を提供することができる」と述べているように、それだけで報告が完結することは想定していない(国際統合報告フレームワーク 日本語訳P9)。

よって、コーポレート・コミュニケーションの立場から言えば、これまで積み上げてきたCSRに関する情報を取りもらすことなく収集し、ウェブサイト等を活用してストックと開示を行い、必要な事項を統合レポートにも記載するサイクルを維持発展させることが肝要であるといえる。


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