「グローバルリスク報告書2019」で特定されたリスクとは
世界経済フォーラム(WEF)は、パブリック・プライベートの両セクターの協力を通じて、世界情勢の改善に取り組む国際機関です。 1971年に設立されて以来、独立した公正な組織として主要な国際機関と連携して活動しており、毎年1月にダボスで開催する年次総会に合わせて「グローバルリスク報告書」を発表しています。
2019年のリスク傾向
「グローバルリスク」とは、「発生した場合、今後10年間に複数の国または産業に著しい悪影響を及ぼす可能性のある不確実な事象または状況」です。
レポートには、全30のリスクが挙げられており、これを影響の大きさと発生可能性でマップにしたものが、以下の図です。
最も影響が大きく、発生可能性が高いと位置づけられるのは「異常気象」となり、次に「自然災害」「気候変動緩和適応への失敗」と環境関連事項が続いています。
■発生可能性が高いリスクTop5
- 異常気象
- 気候変動の緩和・適応への失敗
- 自然災害
- データの不正利用
- サイバー攻撃
TOP5に入ったリスクは2018と変わりませんが、「気候変動の緩和・適応への失敗」はTop5からTop2になりました。
■負の影響が大きいリスクTop5
- 大量破壊兵器
- 気候変動の緩和・適応への失敗
- 異常気象
- 水の危機
- 自然災害
こちらもTOP5に入ったリスクは2018と変わりませんが、「気候変動の緩和・適応への失敗」はTop4からTop2に、「水の危機」はTop5からTop4になりました。
トレンドとリスクの関連性
トレンドとは、「現在展開しつつある長期的なパターンで、グローバルリスクを増幅させたり、グローバルリスク間の関係を変えたりする可能性のあるもの」と定義されます。 下記の図はトレンドとリスクの関連性を示しており、周囲にならんだひし形がトレンド、その内側の正方形がリスクを示しています。
13のトレンドは2018年から変更なく、特に下記項目の関連性が高くなっています。
- 気候変動(トレンド)と異常気象(リスク)
- 社会の二極化の進行(トレンド)と深刻な社会的不安定(リスク)
- サイバー依存度の高まり(トレンド)とサイバー攻撃(リスク)
まとめ
この報告書で開示されているリスクやトレンドは、ダボス会議に参加するリーダーや、シンクタンク・学術機関へのヒアリングなどを踏まえて特定されたものです。
2019年には気候変動に関連する様々な取り組みが進むなど、世界中の企業や機関がレポートで報告されたリスク低減のために行動しました。
2020年に第50回を迎えるダボス会議は、1月21日~24日に開催予定です。引き続き各機関・企業のリスク低減に向けた行動が期待されます。
【参考記事】 「グローバルリスク報告書2018」解説 3つのポイント
【参考リンク】 第14回グローバルリスク報告書2019年版
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