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SDGsを事業に組み込むポイント
~事業立案のプロセスから、アイデアの広げ方まで~
セミナー開催報告

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企業は、社会の課題や変化を柔軟に捉え適応・変化していく必要があり、SDGsに取り組むことはもはや避けて通れない経営のスタンダードの一つとも言えます。

しかし、実際にSDGsに取り組んでみると、既存事業の中にいかにSDGsを組み込むか、また社会・環境価値と採算性を両立する新規ビジネスをいかに企画・実行するかといった、新たな疑問や悩みが次々と立ち現れてきます。

そこで2020年8月27日、株式会社YUIDEAでは、SDGsを事業に組み込むためのポイントを、セミナーにて紹介しました。セミナー前半では、YUIDEAよりSDGs起点での事業立案の全体像とその中でのポイントと、グローバルにあるユニークなビジネスを紹介するメディア「IDEAS FOR GOOD」の株式会社ハーチより宮木様をお招きし、アイデアの広げ方についてご講演いただきました。
セミナー後半のダイアログでは、様々な業種業態の企業ご担当者様がグループに分かれ、自社の取り組みなどをご紹介いただき、SDGsに取り組むことの理解を深めました。

本報告では、各講演内容と、ダイアログで出た課題とその答えについて、概要をお伝えします。

YUIDEA講演「SDGsを事業に組み込むポイント」

SDGsという言葉は年々浸透してきており、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンとIGESによる企業アンケートでも、「経営陣に定着している」と答える企業は2015年では約2割だったところから大きく上昇し、2019年では約8割(77%)となりました。また、各企業の進捗状況を見ると、SDGsコンパスのステップ「2:優先課題を決定する」、「3:目標を設定する」が中心となっており、半数以上の企業がステップ「2:優先課題の決定」が終わっていると読み取れます。

例えば、グローバルに見てもマテリアリティとSDGsを紐づけて整理する企業も多く見られます。(参考記事:世界のトップ企業に見るSDGsの取り組み方)しかし、国内企業にマテリアリティ(重要課題)特定についてヒアリングをすると、ロジックモデルやバリューチェーン分析といった分析を経ずしてマテリアリティ特定する企業も多く、安易に重要課題と紐づけをしたのでSDGsへの優先順位整理が出来た、とするのは本質を見失う可能性があります

GCNJ・IGES「SDGs日本企業調査レポート2019年度版」

続いて、ステップ「4:経営へ統合する」に少しフォーカスをあて、SDGsを経営に組み込む上での障害について考えていきました。障害の中には、例えば「関連部署の協力が得られない」「人手が不足」といった課題が挙げられますが、これらは従来の新規事業立ち上げの際の障害と大きな違いはありません。SDGs起点での事業立ち上げの大きな特徴は、事業を通じた「社会・環境価値」の創出を考慮すること、と言えるでしょう

「社会・環境価値」の創出、つまり社会課題解決への貢献を最終ゴールとすると、事業検証の形は大きく変わっていきます。まず、社会課題が解決された社会はどうなっているか、という最終インパクトを考えることになります。そしてそのためには社会はどう変わるか、また自社がどう変わるか、続いてそういった中で事業アイデアが受け入れられるかをバックキャストで考えていきます。

既存事業であっても、このプロセスで検証し直すことで、SDGs事業としての価値を見出し、また事業変革を起こしてゆくことができます。

株式会社ハーチ講演「アイデア創出のための手法」

【パネル登壇】宮木 志穂 氏

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IDEAS FOR GOOD Business Design Lab リードデベロッパー
大学在学中は英国リーズ大学に留学し社会学を専攻。新卒は株式会社日立製作所でSEとして大規模システムの設計・製造に従事。現職ではIDEAS FOR GOODで国内外のプロジェクトの記事を執筆するほか、編集・新規事業企画・サイト開発等幅広く取り組む。

続いてIDEAS FOR GOOD Business Design Labの宮木氏「SDGsを事業に組み込むポイント、アイデア創出のための手法」として、多岐にわたるユニークな事例をご紹介いただきました。そして、これらの成功事例の共通点を以下にまとめられました。

・組織のパーパスがしっかりしている

・パーパスに基づいた取り組みにより、事業者にとって長期的なメリットがある

・自社の事業を継続するために重要な資本(自然資本や社会的資本)を把握している

特に、ポストコロナの社会においては人と人との物理的な距離が離れ、これまでのような機微を感じとることや非言語の価値共有などが難しく、社内の共通言語とするためにもパーパスを言語化することがますます重要です。パーパスが明確であれば、たとえ異業種であっても同じ目的に向かった新たなステークホルダーともつながることができ、企業の持続可能性を高めていくことが出来ます。


課題共有ダイアログ「SDGsを進めるために」Q&A

講演やワークで出た質問に対するYUIDEA菅原とIDEAS FOR GOODの宮木氏の回答の中で、より多くの方に共通するものをご紹介します。

Q1.どうすれば、社員一人ひとりが自分事として考えられるようになりますか?

個人として社会課題への何かしらの問題意識を漠然と持っていたとしても、業務と結び付いていないため、実際の活動に起こせないといったことが多いのではないでしょうか。そういった場合、例えば「会社のミッション」や「所属する部署や部門の責任は何か」という根本的なところまで立ち返り、自分の業務や部門の業務がどう社会と結びついているか、その接点でどういった課題が起きているのかを考えると、問題と業務がつながり、活動を起こすことができるかと思います
また、もともと会社には企業理念があり、多くの企業理念には社会への貢献が含まれており、そういうものともSDGsは結びつきます。今後、数100年後も事業を続けていくためには、何が課題となるのか。何が必要になるのか、を考えてみると、業務と結びつけやすくなるかもしれません

Q2.SDGに貢献している事業の売上比率などが求められるようになってきていますが、インパクト評価も含め、どう評価すればよいでしょうか?

ESG評価機関に対しては、独自に基準を定めて評価するよりも、金融機関が提供するSDGsインベストメント関連商品にノミネートされるなど、第三者に評価されることで信頼性が高まります外部の機関とコミュニケーションをとり「評価してもらうにはどうすればいか、何が足りないのか」示唆をもらうことが大切です
そうではなくて、まず自社でインパクトを考えたいということでしたら、国連の機関が公表しているSDGsの指標と関連づけたり同業他社の状況を分析したりして、業界でどう考えているのかを理解していくという方法があります。

Q3、指標に紐付けてはいますが、17目標と結びつけにくい場合はどうすればよいですか?

大切なのはいかに社会に良いインパクトを及ぼすか、ということです。「SDGs」は共通言語としては大きな役割を果たしていますが、その枠にとらわれすぎる必要はありません。
例えば海外企業の中には、「私たちはこういうアクションをする。それによりこういう影響を出す」とパーパスを実現することを主体に置き、「SDGsの目標何番をやります」と自社の活動をSDGsの後追いのように表現するケースはほとんどありません。

おわりに

SDGsを事業に組み込むためには、一人ひとりが自らの業務と社会課題を紐付けて取り組めるようになることが重要です。

そのためには自社の企業理念の本質や「パーパス」を明確にするとともに、自分の業務は何のためにあるのか、自分の部署の責任は何かを広い視野でとらえ直し、持続可能であるために必要な社会・自然資本を考えていくことがポイントになります。

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