コーポレートガバナンス・コード改訂のポイント
2021年3月、コーポレートガバナンス・コード改訂案が公表されました。
これまでもサステナビリティに関する情報開示などが定められていましたが、今回の改訂では、取締役会で検討すべき課題や、開示すべき情報がより具体的に示されることとなりました。
本記事では、サステナビリティに関連する改訂部分についてご紹介します。
コーポレートガバナンス・コードとは?
東京証券取引所が、実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたもので、2015年から適用されています。
その構成は「基本原則」「原則」「補充原則」の3部構成になっており、市場(市場第一部・第二部)の上場会社は、コードの全原則について、実施しない場合にその理由を説明することが求められています。
(※マザーズ及びJASDAQの上場会社は、コードの「基本原則」について)
サステナビリティに関する、改定の3ポイント
今回の改訂では、「基本原則」の変更・新設はありませんでしたが、3つの原則及び8つの補充原則が変更され、5つの補充原則が新設されました。
ポイント1:【原則2-3】補充原則①の修正
「気候変動などの地球環境問題」「人権の尊重」「従業員の健康」「労働環境への配慮」「公正・適切な処遇」「取引先との公正・適正な取引」「自然災害等への危機管理」などへの対応が、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であるとして、取締役会で検討を深めるべきサステナビリティを巡る課題として具体的に示されました。
ポイント2:【原則2-4】補充原則①の新設
中核人材における多様性の確保(女性・外国人・中途採用者)について、「測定可能な目標と状況」「多様性確保に向けた人材育成方針・社内環境整備方針と、実施状況」を開示すべきとされました。
ポイント3:【原則3-1】補充原則③の新設
情報開示において、以下が追記されました。
- 経営戦略にサステナビリティについての取り組みを含めること
- 人材資本や知的財産への投資等についても、具体的に情報を開示すること
- 特にプライム市場上場会社(主に現在の一部上場企業)はTCFDまたはそれと同等の質と量の情報を開示すること
今後の対応
2022年4月より、東京証券取引所の新市場区分(プライム市場/スタンダード市場/グロース市場)※が適用されるようになります。ポイント3で紹介したように、コーポレートガバナンス・コードには新市場区分に沿って、求められる項目が異なる場合があります。
- プライム市場上場会社に求める項目
- その他の市場(スタンダード市場、グロース市場)の上場会社に求める項目
- 両者に共通して求める項目
そのため上場会社には自社の新区分に応じて、2021年の12月までに改訂版に沿ったコーポレートガバナンス報告書の提出が求められます。
※新市場区分について
東京証券取引所では、上場会社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上を支え、国内外の多様な投資者から高い支持を得られる魅力的な現物市場を提供することにより、豊かな社会の実現に貢献することを目的として、2022年4月を目途に市場区分の見直しを予定しています。
「CSR革新室」とは?
- 「CSR革新室」とは、CSRコミュニケートを運営する株式会社YUIDEA(ユイディア)内にある1つの部署です。よりよい社会づくりに貢献すべく、企業のCSR活動、CSRコミュニケーションの革新を支援しています。
TCFD グロース市場 コード改定 コーポレートガバナンス コーポレートガバナンス・コード スタンダード市場 プライム市場
- CO2
- CSR
- CSRレポート
- CSR革新室
- ESG
- EU
- GRI
- IIRC
- SDGs
- YUIDEAセミナー
- アメリカ
- カーボンニュートラル
- サステナビリティ
- サステナビリティレポート
- サプライチェーン
- サーキュラーエコノミー
- セミナー
- セミナー開催
- ダイバーシティ
- プラスチック
- プレスリリース
- マテリアリティ
- リサイクル
- 中国
- 人権
- 再生可能エネルギー
- 取材記事
- 太陽光発電
- 情報開示
- 投資家
- 新型コロナウイルス
- 日本
- 東日本大震災
- 株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)
- 気候変動
- 海外CSR
- 温室効果ガス
- 環境省
- 生物多様性
- 社会貢献活動
- 経済産業省
- 統合報告
- 統合報告書
- 自然エネルギー
- 電気自動車