売上の50%が被災者へ、手編みのハートブローチで雇用生み出す
被災地の雇用問題が深刻さを増すなか、フェアトレード(公正取引)で途上国支援を行ってきた福市(大阪市)は、手編みのブローチの生産を通じて復興支援を行う「イーストループ」プロジェクトを立ち上げた。商品価格の50%が生産者グループに届く仕組みだ。
かぎ針編みの小さく可愛らしいハートのブローチは、すべて被災者の手作りだ。NPO法人「遠野山・里・暮らしネットワーク」(岩手県)の協力のもと、岩手県大槌町、陸前高田市などに住む被災者がブローチ作りをしている。
商品価格は840円(税込)で、そのうち半分が生産者グループに届く。重なったハートのデザインには、「人々の気持ちが重なってほしい」という思いが込められている。台紙には生産者のハンドルネームが書かれているので、より一層愛着も湧く。
東日本大震災以降、「被災者」として一括りにされてしまった人々の間には無力感が漂っているという。イーストループを立ち上げた福市の高津玉枝代表は、貧困問題の解決のために06年からフェアトレードの推進に取り組んできた。公正な仕事を得て輝いて働く途上国の人の姿を見てきた高津代表は、「小さな手仕事を通して、現金収入だけでなく、被災地に住む人々の生きていく力につながれば」と思いを語る。
生産者からは、「ハートの形もかわいいし、作っていて楽しい。暗い雰囲気にならない。自分の作ったものが、他の誰かの手に渡るというのは嬉しい」といった声も寄せられた。制作には一個当たり1~2時間かかるが、作りながら仲間とのコミュニケーションが生まれるという。
すでに高島屋の大阪店、横浜店で取り扱いが始まり、今後はオンラインでの販売も計画している。宮城県、福島県にも生産地を広げていく予定だ。(オルタナ編集部=吉田広子)
(オルタナWeb配信記事 2011年7月28日公開)
「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」

「環境とCSRと志のビジネス情報誌」。CSR、LOHAS的なもの、環境保護やエコロジーなど、サステナビリティ(持続可能性)を希求する社会全般の動きを中心に、キャリア・ファッション・カルチャー・インテリアなど、幅広い分野にわたり情報発信を行う。
雑誌の他、CSR担当者とCSR経営者のためのニュースレーター「CSRmonthly」も発行。CSRの研究者や実務担当者など、約20名による最新情報を届けている。
イーストループ フェアトレード 大槌町 宮城県 岩手県 復興支援 東日本大震災 福島県 福市 遠野山・里・暮らしネットワーク 陸前高田市 雇用問題 高島屋 高津玉枝
- CSR調査データ [CSRレポートトレンド]
- CO2
- CSR
- CSRレポート
- CSR革新室
- ESG
- EU
- GRI
- IIRC
- SDGs
- YUIDEAセミナー
- アメリカ
- カーボンニュートラル
- サステナビリティ
- サステナビリティレポート
- サプライチェーン
- サーキュラーエコノミー
- セミナー
- セミナー開催
- ダイバーシティ
- プラスチック
- プレスリリース
- マテリアリティ
- リサイクル
- 中国
- 人権
- 再生可能エネルギー
- 取材記事
- 太陽光発電
- 情報開示
- 投資家
- 新型コロナウイルス
- 日本
- 東日本大震災
- 株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)
- 気候変動
- 海外CSR
- 温室効果ガス
- 環境省
- 生物多様性
- 社会貢献活動
- 経済産業省
- 統合報告
- 統合報告書
- 自然エネルギー
- 電気自動車