孤独死防ぐ効果、シェアハウス型復興住宅が宮城県登米市に10月竣工
シェアハウスのように食事や団らんの時間が楽しめ、自然エネルギーもふんだんに取り入れた共同住宅。宮城県登米市で計画が進んでいる「手のひらに太陽の家」は、いままでの仮設住宅とは一味もふた味も違う。
「仮設住宅の問題点を解決するだけでなく、自然エネルギーを積極的に採用した持続可能な住宅モデルという点でも、将来に新しい事例を示すもの」
「手のひらに太陽の家」計画を進める佐々木豊志氏(日本の森バイオマスネットワーク理事長)は、この取り組みを仮設住宅ではなく「復興共生住宅」と呼ぶ。
住宅の作りはユニークだ。
1棟の中に6~8畳程度の個室が10部屋程度。加えて、広めの居間と共用の台所、食堂がある。あえて「共用」にしたのは、住民同士が協力しながら精神的に支えあうコミュニティを作るため。震災遺児や高齢者に代表される誰かのサポートが必要な人たちでも、ここなら生活しやすいかもしれない。
世帯が独立している仮設住宅はプライバシーが守られる一方で、部屋にこもりきりになりやすい欠点もある。阪神大震災後では孤独死、自殺、うつが問題になった。共用住宅では、個室でプライバシーを守りながらも、食事の際などにお互いに話が出来る。
木質ペレット燃料ボイラー、太陽熱給湯、太陽光発電、さらに雨水利用も行うなど自然エネルギーをふんだんに活用するのもこの住宅の特徴だ。木材調達や施工はできるだけ地元業者を採用するなど、被災地への経済効果も考えられている。
復興住宅のコンセプト作りでは、サッカー前日本代表監督の岡田武史氏、音楽プロデューサーの小林武史氏など多方面の協力者に意見を求めた。岡田氏は震災後すぐに、プロジェクトの拠点の一つとなる宮城県の木材会社へ足を運んだ。
アウトドア用品メーカーのモンベル(大阪市)から資金提供があり、第1棟目の建設は登米市に決まった。竣工目標は10月。入居は、被災地の支援団体や行政の協力を得ながら、高齢者や震災遺児を優先的に進めるという。(形山 昌由)
(オルタナWeb配信記事 2011年8月4日公開)
「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」

「環境とCSRと志のビジネス情報誌」。CSR、LOHAS的なもの、環境保護やエコロジーなど、サステナビリティ(持続可能性)を希求する社会全般の動きを中心に、キャリア・ファッション・カルチャー・インテリアなど、幅広い分野にわたり情報発信を行う。
雑誌の他、CSR担当者とCSR経営者のためのニュースレーター「CSRmonthly」も発行。CSRの研究者や実務担当者など、約20名による最新情報を届けている。
コミュニティ シェアハウス 仮設住宅 佐々木豊志 太陽光発電 太陽熱給湯 孤独死 宮城県登米市 小林武史 岡田武史 復興共生住宅 手のひらに太陽の家 日本の森バイオマスネットワーク 木質ペレット燃料ボイラー 自然エネルギー 雨水 震災遺児 高齢者
- CSR調査データ [CSRレポートトレンド]
- CO2
- CSR
- CSRレポート
- CSR革新室
- ESG
- EU
- GRI
- IIRC
- SDGs
- YUIDEAセミナー
- アメリカ
- カーボンニュートラル
- サステナビリティ
- サステナビリティレポート
- サプライチェーン
- サーキュラーエコノミー
- セミナー
- セミナー開催
- ダイバーシティ
- プラスチック
- プレスリリース
- マテリアリティ
- リサイクル
- 中国
- 人権
- 再生可能エネルギー
- 取材記事
- 太陽光発電
- 情報開示
- 投資家
- 新型コロナウイルス
- 日本
- 東日本大震災
- 株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)
- 気候変動
- 海外CSR
- 温室効果ガス
- 環境省
- 生物多様性
- 社会貢献活動
- 経済産業省
- 統合報告
- 統合報告書
- 自然エネルギー
- 電気自動車