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フェイスブックで「会津高野米」販売開始――会津の稲作農家と消費者をソーシャルメディアでつなぐ

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会津若松市高野町の稲作専業農家・佐藤邦雄さん。
一坪に37株しか植えず間隔を空けて育てるので、
大きな穂が実る。会津高野米は、白米と玄米で販売

新米のおいしい季節だが、福島第一原発の事故によって、米の安全性や風評被害による販売不振などが懸念されている。そこで、IT技術で農漁業の活性化に取り組むフウド(東京都町田市)は、福島県の稲作農家と消費者をつなげようと、フェイスブック上でネット販売できるシステムを開発。「会津高野米」の販売も始まった。

米の生産量全国4位を誇る福島県。豊かな森に囲まれた会津盆地は、粘土質の肥沃な土壌に猪苗代湖の雪解け水が流れ込み、米作りが盛んな地域だ。「会津高野米」(品種はコシヒカリ)は、魚沼産コシヒカリに並ぶおいしい米として知られている。

会津若松市は28日、14 旧市町村すべての米の放射性物質調査(本調査)を終え、出荷自粛が解除になった。すべて検出限界値未満のNDだったが、風評被害による販売不振は深刻だ。

フウドは、震災後、会津の稲作農家と消費者をつなぐフェイスブックページの立ち上げ準備を進め、ネット販売できるシステムを開発した。フェイスブックのページでは、環境放射線量測定値や米の放射性物質調査の結果を公開するなど、早くて正確な情報発信に努める。

会津高野米を作る5農家で構成される「会津高野米研究会」に質問をしたり、メッセージを送ったりすることもでき、生産者と消費者が直接交流できる。「いいね」ボタンで共感を示せば、通常価格の1600円(白米2キログラム、税込)から1200円(同)に割引される。

フウドの斉藤悠代表は、「安心感は数値だけで得られるものではない。生産者の生の声を届け、顔の見える関係を作り、信頼関係を構築したかった」と開発の経緯を語る。同社は、猟師が船上で獲りたての海産物をネット販売できるシステムも2010年に開発している。(オルタナ編集部=吉田広子)

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