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フォルクスワーゲンのエンジンで発電、将来は原発2基分を代替

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注目を集める「家庭発電所」(リヒトブリック提供)

フォルクスワーゲン(VW)のエンジンを地下室に置いて、熱と電気をまかなう「家庭発電所」が軌道に乗り始めた。自然エネルギーのみを扱っているドイツの電力会社リヒトブリックとVWが共同開発したもので、2010年秋から実用化され、これまで約250基が稼動している。分散型発電でフレキシブルな発電と、コスト減、高いエネルギー効率が見込めるため、原発の代替技術として期待される。

VWの車種キャディやトゥーランで使われている「エコブルー」と呼ばれるエンジンを利用し、コジェネレーションと同じ仕組みで天然ガスで発電するとともに、生まれた熱を湯や暖房に使う。高さ1.75メートル、幅1.18メートル、高さ0.84メートルと小型。VWが製造し、リヒトブリックがメンテナンスなど稼動について担当する。

電気と熱の双方を利用するため、エネルギー効率は90%と高い。既存の石炭や原子力発電だと30%から45%と比べて無駄がない。二酸化炭素排出も6割減となるため、環境負荷が低いのが売りだ。将来はバイオガスの使用も可能だ。現在、毎週約10基が新規設置されており、このほど北ドイツのツェレ市の集合住宅地でも13基が174世帯をまかなうことになった。

「家庭発電所」自体は、リヒトブリックの所有でメンテナンスは同社が行う。これを地下室に設置すると、それに伴う家中の暖房設備への投資が必要なため、最低5千ユーロ(55万円)の自己負担が必要だ。別途毎月の使用料として20ユーロ(2200円)の基本料金と、使用したガス代がかかる。しかし、地下室の場所代に年間5ユーロ戻ってくるほか、ガス代に割引が適用されるので、古い暖房設備に比べて8割、新しい設備でも2割の暖房費削減が見込める。最低 10年の契約となる。

熱は自家使用だが、電力は公共電線に送られるため、自家消費ではない。電力自由化のドイツでは、電力会社は国内約1千社から自由に選べるため、リヒトブリックでもいいし、別の会社を選ぶこともできる。

リヒトブリックは、将来的にはインターネットでネットワーク化し、自然エネルギーの補足電力として利用していきたい構想。例えば風が吹かないときや、雨で太陽が照っていないとき、遠隔操作で「家庭発電所」を稼動させ、できた電気を公共電線に送る。「家庭発電所」が10万台あれば、20万メガワットすなわち原発2基分になる。(独ハノーバー=田口理穂)

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