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田坂広志、未来の社会起業家にエール、「原体験と覚悟持て」――ソーシャルビジネスグランプリ2013夏

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グランプリを総評する田坂広志氏、
後ろには発表者たちが並ぶ

社会起業家を育成するビジネススクール社会起業大学は4日、ソーシャルビジネスグランプリ2013夏を開催した。3部門計9人の事業プレゼンを見に、会場には500人以上が集まった。(オルタナS副編集長=池田真隆)

社会起業大学は2010年から開校し、卒業生は250人以上に及ぶビジネススクールだ。約4カ月間の修了期間を終え、同グランプリは開催される。

発表は3部門に分かれて行われた。社内で社会的事業を行う者を指すソーシャルイントラプレナー部門、創業3年以上の社会起業家を対象にしたグロースアップ部門、創業3年未満の社会起業家を対象にしたスタートアップ部門だ。

ソーシャルイントラプレナー部門には、地域活性化につながる観光ポータルサイト「旅の発見」を運営するティー・ゲートのニューツーリズム事業部竹田英樹課長が、グロースアップ部門には、発達障がい者のキャリア支援を行うKaienの鈴木慶太代表が選ばれた。

未来の社会起業家として期待されるスタートアップ部門には、歩行困難者らに訪問美容サービスを届けるプランを発表した「訪問美容 と和」の小池由貴子代表が選出された。

小池代表の事業プランは、美容の力で生きがいを与えるものだ。事業を構想した背景には、小池代表が車椅子生活で感じた原体験がある。8年前に、骨巨細胞腫を患い半年間、自宅で車椅子生活を送った。外出することが困難で、美容室にも行けないため容姿に自信がなくなったが、あるとき後輩が前髪を5センチ切ってくれた。このことで、気持ちが変わったという。

日本には、要介護者・支援者は340万人、そのうちの約280万人は歩行困難者だ。小池代表は「自宅にいるが、美しくなりたい人はいるはず。綺麗になることで、自信を取り戻してほしい」と話す。

審査員長の田坂広志氏(社会起業大学名誉学長/社会起業家フォーラム代表)は、総評として、「必ず新規事業は困難に直面する。しかし、その困難を突破する社会起業家がいる。その人たちに共通するのは、原体験と覚悟だ。これらがあることで、支援者が表れ、社会起業家として歩み続けることができる」と話した。

■鬼ごっこで社会を変える

グロースアップ部門に登場した羽崎貴雄さんは、鬼ごっこの意義を伝えた。羽崎さんは、一般社団法人鬼ごっこ協会理事を務め、鬼ごっこを通して、子どもたちの生きる力を育てる事業を行う。

鬼ごっこは、1300年前の平安時代からある遊びだ。羽崎さんは、「誰でも知っている遊びだが、現代の鬼ごっこは1300年前のものとは異なる」と話す。「昔は、鬼、親、子の3種類の役割があり、一番大きい子ども(親)が小さい子ども(子)を鬼から守るものだった。親と子どもの関係性を遊びを通して学んでいた。昔の鬼ごっこを現代の子どもたちにも教えたい」。

鬼ごっこを普及させたきっかけは、同団体の理事長で、羽崎さんの父親、泰男さんの研究があったからだ。泰男さんは、東京青山の「子どもの城」設立にかかわった中心人物だ。長年、子どもの研究を行い、このままだと競争意識や、仲間を思う心が育たない危機意識を感じたという。そこで、この問題を解決するために、選んだのが鬼ごっこだった。

羽崎さんは、「コミュニケーションだけでなく、肥満など、現代特有の子どもにまつわる課題を鬼ごっこは解決できる。父親への恩返しも含め、鬼ごっこの可能性を信じたい」と話した。

複数人で行う「スポーツ鬼ごっこ」を考案し、学校にプログラムを販売したり、社員研修に鬼ごっこを勧める。将来的には、スポーツメーカーと組み、鬼ごっこ専用のグッズも開発したいと意気込む。

「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」

「環境とCSRと志のビジネス情報誌」。CSR、LOHAS的なもの、環境保護やエコロジーなど、サステナビリティ(持続可能性)を希求する社会全般の動きを中心に、キャリア・ファッション・カルチャー・インテリアなど、幅広い分野にわたり情報発信を行う。
雑誌の他、CSR担当者とCSR経営者のためのニュースレーター「CSRmonthly」も発行。CSRの研究者や実務担当者など、約20名による最新情報を届けている。

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