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海を渡れ、日本企業のCSR:議論の輪に加わることが必要だ(CSRmonthlyから部分転載)

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関 正雄氏

9月17日から2日間、バンコクで開催された「CSRアジア・サミット2013」に参加してきた。英国出身のリチャード・ウェルフォード会長が率い、香港にベースをおくCSRアジアは、アジア地域でのCSR普及啓発活動を10 年来続けてきた。

なかでも年一回開催するこのサミットは、最重要の一大イベントだ。ここ数年、アジア各国でのCSRへの関心が高まるに連れて参加者は増え、今年は450人を超えた。スポンサー企業のブース展示も本格的になり、会場の市内のホテルは会議関係者でごったがえし熱気に満ちていた。

欧米人の姿も目立った。アジアのCSRの現状に関心を持つさまざまなステークホルダーが数多く参加し、アジア一色ではない国際色豊かな会議であった。2日間で全体会合と分科会、ワークショップなど合計25のセッションがあり、熱心な討議が行われた。

筆者は主催者からの依頼を受けて、気候変動をテーマにしたセッションにパネリストとして登壇し、アジアにおける気候変動への影響に対する企業戦略を中心に議論に加わった。パネリストの一人で農業関係の研究者が急遽来られなくなったので、ネパールの山岳コミュニティー開発機関のナイナ・シャーカさんと2人だけでパネルを務めることになった。

気候変動に脆弱なアジアにおいて、いかに政府・研究機関・企業・市民団体などが役割を果たすべきか、まったく立場の違う2人とCSRアジアのモデレーター計3人の間で、面白い議論ができたと思う。

シャーカさんの国、ネパールの山岳地帯も温暖化の影響を強く受けている。中でも最も大きなリスクと言えるのは氷河湖の決壊だろう。標高4850メートル、ヒマラヤ最大の氷河湖ロ・ツォルパは温暖化の影響でこの30年で長さが倍の3.5キロにもなった。さらに成長を続け、いつの日か決壊して下流に甚大な被害をもたらす可能性があると言われている。それはいつなのか、ネパールの人々は時限爆弾のような脅威に晒されている。

この9月には、インドシナ半島での記録的な豪雨で、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジアなど広範囲に洪水被害が出た。成長を続けるアジアでのこうした事態に各セクターが連携してどう備えるか、企業もアジア各地域のリジリエンスを高めるために何ができるのか議論を続けるべき大きなテーマである。

(関 正雄/株式会社損害保険ジャパン CSR部上席顧問=この記事は株式会社オルタナが発行する「CSRmonthly」第14号(2014年11月5日発行)から転載しました。この続きは、CSRmonthlyをご購読頂けましたらお読み頂けます)関 正雄氏の連載は毎月発行のCSR担当者向けのニュースレター「CSRmonthly」でお読みいただけます。

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