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大和ハウス工業のステークホルダーミーティングは5時間の長丁場、公募参加者らがガチンコ論議

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ステークホルダーミーティングの様子
=25日、大和ハウス工業本社

大和ハウス工業は11月25日、ステークホルダーミーティングを大阪市の本社で開いた。2004年以来、10回目となる今年は、18人の市民や有識者が集まった。同社は以前から、会合の一部参加者を公募で集め、予定調和ではない「本音の議論」を引き出してきた。その様子を報告する。(オルタナ編集長=森 摂)

今年のステークホルダーミーティングのテーマは「女性活躍推進の現状と課題~女性が活躍できる会社を目指して」。出席した18人のうち、外部の有識者は大学教授、大阪労働局の担当官、パナソニックと帝人のダイバーシティ担当社員の4人だけ。ほか4人が市民からの公募、5人が学生からの公募による参加で、残る5人が同社従業員だった。

ミーティングではまず、ダイバーシティ担当社員が、同社の女性活躍推進の現状を報告した。それによると、大和ハウスの女性社員の割合は13.6%(2006年3月)と、同時期の企業規模1千人以上の平均(21.3%)から大きな後れを取っている。

新卒採用での女性比率も27.4%と、目標の30%に達していない。女性管理職の数は47人で、管理職全体の1.6%に過ぎない。

このため、同社は、1)「増やす」(女性社員の採用拡大など)、2)「続ける」(仕事と家庭の両立支援)、3)「活かす」(女性社員の能力開発など)――の3つの施策を進めているという。

今後は、ダイバーシティの推進や、女性営業・技術者の定着と育成、女性リーダーの戦略的育成という女性活躍推進策を立てている。目標としては、3年後の女性管理職比率3%(100人)、女性役員を一人輩出することとした。

その後、「有識者」「公募市民」「学生」「従業員」の4つのグループに分かれ、女性の活躍推進についてディスカッションした。グループごとに同社役員やCSR部員が同席し、会社側への質問に答えていた。

「学生」グループでは、「建築業界という職場で、女性が活躍する姿をイメージできない。また、女性社員が育児と仕事の時間配分がうまくできないのでは」と厳しい指摘が上がった。

この問題を解決する視点として、学生たちは「女性がバリバリ働いているイメージをCMで流してほしい」「ママさん営業チームをつくり、主婦の視点で営業できるような仕組みがほしい」などと会社側に提案した。

「公募市民」グループからは「女性が仕事を長く続けるための一つのポイントは職住接近。企業の制度も社員の働き方も柔軟性が大事だと思う」との意見が出た。

「たまたま良い上司がいれば女性が働きやすく、良い上司に恵まれなければ働きにくい、というのでは、女性社員全体にとっては良くない」という指摘もあった。

「従業員」グループでは「性別に関係なく、個性を活かせるような職場であれば社員の活躍の場も広がる。女性ならではの営業提案や気配りはすでに現場で評価されている。女性による住宅設計を求める顧客もいるなど、女性社員への期待はある」などの意見が出た。

「社員評価は(営業などの)数字がメインだが、人材育成に秀でた上司を評価してくれたら部下の仕事はやりやすくなる」との意見が社員から出た。

「有識者」グループでは「女性活躍推進というテーマが大きすぎる。女性が長く働き続けられれば良い、というものではない。大和ハウスには3年間の育児休暇制度があるとのことだが、3年間も休むと技術も変わってしまう」という手厳しい意見が出た。

このほか、「女性の採用数自体を増やす必要がある」「マネージャーになりたくない技術系女性のためのキャリアパスの選択肢がないのでは」などの指摘があった。

「社内に女性のロールモデルが少ないので、女性の管理職候補に、女性役員のメンターをつける『女性メンター制度』をつくるのが良い」「在宅勤務などフレキシブルな働き方ができる仕組みがほしい」などの提案があった。

この日のステークホルダーダイアログは、グループディスカッションが3時間あまり、全体では5時間あまりの長丁場だった。

大和ハウス工業の近久啓太CSR部長は、「今までは学生や社会人などさまざまな属性の方を一つのグループの中に入れていたが、今年から属性別にグループを分けた。このため、グループごとの議論にまとまりが出てきて、多くの意見を出して頂いた」と振り返った。

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