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持続性のある開発事業、公募したアイデアが実現

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12月14日には、メンターである
クロト・パートナーズの石橋哲代表から
最終審査会に進む8案のアイデアが
ブラッシュアップされた

民間のビジネスアイデアを通じて「新しい国際協力の枠組みをつくりたい」という意気込みで今年はじまったビジネスコンテストが最終章を迎える。年明け1月18日、161案のアイデアの中から選抜された8案で競い合う最終審査会が、東京・六本木で開かれる。途上国の変革を加速させるアイデアは登場するだろうか。(オルタナS副編集長=池田真隆)

開発コンサルティング会社アイ・シー・ネット(さいたま市中央区)は、社会的課題を解決する革新的なアイデアを求めて「40億人のためのビジネスアイデアコンテスト」を企画した。

同社は1993年の設立以来、おもに日本政府や国際機関などから国際協力事業の委託を受け、農林水産、保健、教育、行政などの分野で人材育成や制度構築を中心に開発プロジェクトを手がけてきた。約100人のコンサルタントがおり、多くの社員が2~3カ国語を操る。

同社が手がける途上国の開発プロジェクトでは、公的機関から資金が提供されるため、一定の制約や枠組みの中で活動をする必要があり、革新的なアイデアを実行に移すには限界がある。

従来の公的資金中心の開発プロジェクトに加えて、民間発のアイデアで新たなビジネスを立ち上げることで、同社は新しい国際協力の形を生みだしたい考えだ。数年で終わりを迎える単発の支援にとどまらず、長い間、途上国にも利益をもたらすことのできるビジネスの創出がコンテストの目的だ。

受賞したアイデアは、同社が持つ100カ国以上の途上国とのネットワークや業務経験を生かし、事業化することを目標としている。


■アイデアを事業化

12月14日には、メンターの一人であるクロト・パートナーズの石橋哲代表と最終審査に臨む8人が、ビジネスアイデアについて活発な議論を交わした。石橋代表は、日本長期信用銀行、シティバンク銀行で十数年にわたって不良債権処理などを担当した後、産業再生機構に参加。ダイエーの再建を手がけ、東京電力福島第1原発事故を検証する国会事故調では調査統括補佐を務めた。

金融機関の立場から様々な業種・業態と向き合ってきた経験から、石橋代表は、疑問を投げかけたり、時にはまったく別の業種の手法を紹介したりしながら、8つのアイデアを磨きあげた。いずれもユニークなアイデアばかりだ。

途上国で低価格の音楽教育を提供する案や、深刻な大気汚染に悩む中国で企業の広告入りマスクを無料で配布する案、さらに、自動車の余剰電力を取り外し可能なバッテリーに充電し、送電網がない地域に電力を供給する案も。

アイデアを考案した8人は、全161案の中から事前審査を通過した。会社員、起業家、大学生などバックグラウンドは多岐に渡る。コンテストの責任者を務める同社の多田盛弘部長は「アイデアを事業化することが最大の特徴」と話す。最終審査に残った中から選抜されたアイデアについては、事業化の可否、採算性、課題などを検討するための現地調査を控えている。

同コンテストの意義を多田部長は「ステレオタイプの国際協力からの脱却」と話す。「私たちも含め途上国の開発に携わる人は、視野を広げる必要がある。国際協力は、各国政府や国際機関といった公的機関や、援助を専門的に行うNGOなどが行うものと考えている人はまだ多い。しかし、ビジネスの視点から、途上国の開発に貢献できる製品やサービスがたくさんある」。

こうした新しい可能性を発掘するのが、コンテストの目的だ。ビジネスにも社会貢献性が求められるようになっている中、従来は援助を中心に語られてきた国際協力にも持続的な発展に寄与するビジネスの視点を取り入れたいという考えが背景にある。コンテストを通じて社会、経済の両面から持続性ある開発のあり方が提案される。

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