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米国で「大量消費」見直しの機運――ソーシャルメディアも後押し(前編)

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イベントには、古着を持った人の列ができる

大量生産・大量消費の考え方が浸透している米国社会で、「物々交換」やシェアリングなど「買わない消費」を模索する機運が芽生えつつある。動きを後押しするのは、フェイスブックなどのソーシャルメディアだ。(米カリフォルニア州サクラメント=藤 美保代)

米アウトドア衣料・用品メーカーのパタゴニアは2011年11月、「必要ないなら、このジャケットを買わないで」という全面広告をニューヨークタイムズ紙に出し、大きな話題を集めた。

同社は2013年秋にも、全国のショップで「必要のない新品を買う代わりに、手持ちのものに新しい楽しみや価値を見出し、大量生産・消費に支えられた現在の社会のありかたを見直してみよう」という主旨のイベントを展開した。

筆者が訪れたサンフランシスコ店(カリフォルニア州)の店舗の外では、「共同消費」を提唱する新興企業「ヤードル」(yerdle)との協業による、「要らない古着を持ってきて、アイスクリームとパタゴニアの古着をもらおう」というコーナーが開かれていた。

ヤードルは、サンフランシスコなどの都市部で人気が出ている「物々交換」のオンラインビジネス。独自のポイントを仮想通貨として、会員同士がネット上で要らないものを貸し借りしたり、取引したりするウェブサイトを運営している。

アメリカ大手の環境NGO「シエラ・クラブ」の元会長や、ウォルマートの元CEOなど、そうそうたるメンバーが集まって創立され、2012年にサービスを立ち上げた。

参加者が持ち込んだ不要アイテムを、その場でパタゴニアの古着と交換するか、もしくはポイントを貯めて、後でオンライン上で取引することができる仕組みだ。パタゴニアの古着を見つけることを楽しみにやってきた客でごった返している。

中古品の売買といえば、アメリカにはガレージ・セールなど様々な仕組みがあり、活発に機能している。しかしヤードルは、家庭で死蔵されている消費財を「負の価値」として明確に認識し、それを改善しようという問題提起からスタートしている。

ヤードルによると、家庭にあるモノのうち、80%は月に一度も出番がなく、貸し倉庫の規模は過去30年で10倍にも増えた。

出番のないモノを共有のシステムを使ってうまく使い回すことで、新規購入の必要性を25%減らそう、というのが同社のミッションだ。プログラムを立ち上げて間もないため、主要な顧客は、トレンドに敏感な若者と子どもを持つ母親が中心だという。



※後編に続く

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