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米国で「大量消費」見直しの機運――ソーシャルメディアも後押し(後編)

※前編の続き


「共同消費」は シェアリング・エコノミーとも呼ばれ、米国のサステイナビリティ界でも旬のコンセプトだ。サンフランシスコに本社を置き、ネット上で空き部屋などのスペースを貸す「エアB&B」が先鞭をつけた。

モノや場所に対する需要のタイミングは、消費者によって違う。そのタイミングを共有し、必要としている人のところから必要としている人のところへ効率的にモノ・情報を回すことで製品の「使われていない」期間を短くし、新規購入への需要を減らす。

それにより、つくり続け、捨て続けることが前提になっているムダの多い経済の仕組みを変えていこうという試みだ。「クレイドル・トゥ・クレイドル」(ゆりかごからゆりかごまで、C2C)や「サーキュラー・エコノミー」など経済システム全体の資源循環の効率化と価値創造ポテンシャルの最大化を同時に達成しようとするコンセプトも浸透してきた。

共同消費はそれらのコンセプトを迅速に実現できる手段として期待を集めている。

「モノをシェアする」という考えは何も新しいものではない。それが急速にビジネスと結びつき始めたのには、ソーシャルメディアの発達が深く関わっている。エアB&Bやヤードルは、サービスの範囲をフェイスブックなどの知り合いだけに限定したり、借り手と貸し手の情報交換を可能にしたりすることで、リスクや非効率性を減らそうとしている。

コスト面でも、ネットワークの利用やクラウド・ソーシングは力を発揮している。ネットワーキングの技術は新しいサステイナビリティのビジネスモデルに不可欠なだけでなく、IT・ネットワーク方面からの投資を呼び込むきっかけにもなっている。

フェイスブックやエアB&B、ヤードルなどの企業が西海岸ベイエリア、シリコンバレーに集中していることからも、ネットワーキング技術、それをベースにしたサステイナビリティ関連の新興ビジネスと、ベンチャーキャピタルの親和性が見て取れる。

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古着との交換で、パタゴニアの
ビンテージを手に入れ喜ぶ

ヤードルのようなサービスにおいて、残存価値の高い中古品はサービスの成功を占う重要な要素である。いくら仕組みが整っていても、そこに欲しいと思える製品がなければ、店としては繁盛せず、利用は増えない。

そのためヤードルは、「責任ある経済」を唱え、長く着られる製品をつくることをミッションとしているパタゴニアのようなメーカーと積極的にタイアップしようとしている。

パタゴニアのビンテージには市場価値があり、価値のあるところには人が集まるため、市場が活性化する。残存価値が高い中古品と、その流通を容易にする仕組みが合体することによって、多くの消費者が大量消費から脱却できる可能性がある。

バリューチェーンの異なったポイントにいる組織が、共鳴・共同し、技術をベースにしながら、消費者を巻き込んで、使い捨てに立脚しない新しい価値創造のしくみ、システムをつくりあげていこうという意気込みを感じさせる。

「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」

「環境とCSRと志のビジネス情報誌」。CSR、LOHAS的なもの、環境保護やエコロジーなど、サステナビリティ(持続可能性)を希求する社会全般の動きを中心に、キャリア・ファッション・カルチャー・インテリアなど、幅広い分野にわたり情報発信を行う。
雑誌の他、CSR担当者とCSR経営者のためのニュースレーター「CSRmonthly」も発行。CSRの研究者や実務担当者など、約20名による最新情報を届けている。

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