日野自動車、マツダなど新機械振興賞、ディーゼルエンジン技術を評価
機械振興協会は2月19日、「第11回新機械振興賞」表彰式を日機械振興会館ホール(東京都港区)で開催した。日野自動車が「尿素を必要としない中小型ディーゼル車用NOx、PM後処理システム」で経済産業大臣賞、マツダが「低圧縮比クリーンディーゼルエンジンの開発」で機械振興協会会長賞を受賞した。(オルタナ編集部=松島香織)
NOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)などの有害物質排出を改善する技術は、地球温暖化につながる温室ガス排出や大気汚染抑止につながり、環境面でも大いに期待される。
「新機械振興賞」は機械工業にかかわる優秀な研究開発及びその成果の実用化によって技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業、大学、研究機関及び研究開発担当者を表彰している。
選別技術、土木・建設技術、溶接技術、義足製作技術など、いずれも日本の「ものづくり」技術の高さがうかがわれる内容で、受賞6件のうち2件が「ディーゼルエンジン」技術について評価された。
2社ともこれらの技術で、世界的に最も厳しいと言われる排出ガス規制の、日本のポスト新長期規制をクリアしている。
日本においてディーゼル車は「環境に悪い」というイメージがあるが、実はガソリンエンジンに比べて熱効率が高く燃費が良いため、CO2の排出量が少ないというメリットがある。課題はNOxやPMなどの有害物質排出をいかに軽減するかだ。
ディーゼルエンジンは圧縮力によって燃料を自然発火させる構造で、一般的には「20:1」前後の圧縮率であるが、マツダでは「14:1」までおとすことに成功し、燃料である軽油と空気をムラなくきれいに混合し、NOxやPMを抑制している。
同エンジンはすでに、「マツダ CX-5」「マツダ アテンザ」「マツダ アクセラ」に搭載されている。
有害物質排出を抑制するシステムとして、「尿素SCRシステム」が主流であるが、日野自動車では尿素水を使用しないシステムを開発し、NOxやPMの排出量を軽減させた。
尿素水を使用しないため経済的で、システムがコンパクトになり省スペース化にもつながり利便性も向上した。同エンジンは「日野レンジャー」、「日野デュトロ」に搭載されている。
受賞に際し、日野自動車では、「小型、軽量、安価で尿素インフラが不要であり、日本国内に加え環境改善が必要な新興国の環境対策技術としても貢献できる。これからも性能向上に努めていきたい」とコメントしている。
2013年度の受賞は以下のとおり。
<経済産業大臣賞>
日野自動車株式会社/尿素を必要としない中小型ディーゼル車用NOx、PM後処理システム
<中小企業庁長官賞>
テクマン工業株式会社 山形県工業技術センター/プラスチックペレット検査装置の開発
<機械振興協会会長賞>
敬産興業株式会社/高品質現場杭の作製管理システム
JFEスチール株式会社/高靭性電縫管の溶接品質オンライン検査システム
ナブテスコ株式会社/冬期凍結路面でも歩ける高安定性義足膝継手の開発
マツダ株式会社/低圧縮比クリーンディーゼルエンジンの開発
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