サプライチェーンが直面する環境問題
企業の事業活動が環境へもたらす影響が明らかになり、今日の環境問題はその長期的事業継続を脅かすようになっている。そのため、持続可能性を企業使命とする企業は、自社の製品やサービスのライフサイクル全般にわたって環境への影響を検討し、対策に向け努力している。なかにはサプライチェーンのパートナーと協働することで環境問題の改善に一層努力しようとする企業もある。悪影響を最小限に留めるだけでなく、企業や環境、社会にとっての価値を生み出す機会も探っているのだ。そうした積極的な試みに、サプライチェーンにおける廃棄物の削減、リサイクルとリユースがあげられる。
製品のパッケージは「ゆりかごから墓場まで」という企業の環境実績に影響する。企業のロゴが入ったパッケージの廃棄物は環境に有害であるだけでなく、企業のブラド価値にとってもリスクとなるため、企業はパッケージを改善し、特に廃棄された際に環境に影響を与えないよう努力している。化粧品会社のLUSHの場合は、さらに、パッケージのいらない商品の開発にも着手した。固形シャンプーなど、その製品の約半数は、パッケージなしで販売可能でLUSHにとっては約600万本のプラスチックボトルの節約にもあたる。パッケージが不可欠な製品の場合、同社は可能な限りリサイクル素材を使用しており、90%のパッケージ素材はリサイクルされる。ブラックポットのリサイクルはどこでも可能なわけではないので、LUSHは市場ごとにリサイクルのパートナーと提携し、協働することで、先進的なアプローチをとりいれ環境実績を改善する方法を模索している。
製品のパッケージに限らず、企業は環境問題に関してサプライチェーンと協働することが可能だ。埋め立て地に廃棄する製造廃棄物をゼロにするというP&Gのプログラムもその良い例だ。同プログラムは「廃棄物から価値あるものへ」とする同社の2020年までの持続可能性目標のひとつで、地域の法律で廃棄物の埋め立て地廃棄が義務づけられていない限りは、工場敷地内でのエネルギー回収なしに直接埋め立て地に廃棄したり焼却場に送る製造廃棄物をゼロにする、というものだ。「原材料とパッケージ素材」を除き、P&Gは「廃棄物と水流」、「使用後の製品」、「設備と部品」といった面での非生産的試算の価値を生み出す持続可能なソリューションを実践している。今までにアジアの26工場中18工場で埋め立て地への廃棄ゼロを達成している。
企業だけではなく第3セクターの団体も、企業がサプライチェーンと協働することで環境実績を改善するよう積極的に奨励、支援している。例えば、森林管理協議会(FSC)の製品ラベル、「FSC Recycled」はサプライチェーンの中で、使用するリサイクル素材の数を増やすことを企業に奨励するためのツールとして役立っている。「FSC Recycled」のラベルで消費者はリサイクル素材から作られた製品を見分けられるからだ。林業におけるサプライチェーンの企業責任とトレーサビリティを改善するためにFSC は、2万超えるCoC認証を含むFSCシステムにおけるサプライチェーン・インテグリティを最近開始した。
by Chris Ye
CSRアジア週刊ニュース日本語翻訳版
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