【オーストラリア】ジョン・ウェスト、WWF、MSCが持続可能な漁業の実現に向けて提携
オーストラリア海洋食品大手のジョン・ウェスト・オーストラリアとWWFオーストラリア(世界自然保護基金オーストラリア支部、以下WWF)、そして持続可能な漁業に関する国際認証のMSC認証で知られる海洋管理協議会(Marine Stewardship Council、以下MSC)の3者は2月4日、オーストラリアのツナ缶産業における持続不可能な漁業慣行を撲滅するという過去最大規模のコミットメントを共同で公表した。
ナウル協定加盟国(Parties to the Nauru Agreement、以下PNA)およびMSC認証済のマグロの推進を目的としてPNAとオランダのSustainable bv.社が共同で設立したマーケティング会社、パシフィカルが支援した。
WWF、パシフィカル、MSCとの提携は、世界の海洋のサステナビリティ向上に向けてジョン・ウェストのオーストラリアにおける調達基準を点検する方法の模索に向けた長年に渡る協働の結果としてもたらさられたものだ。
この提携により、PNAの巻き網漁業により捕獲されたキハダマグロはMSC認証ラベルを表示することができるようになった。キハダマグロを対象とする巻き網漁業がMSC認証を取得するのは、今回のPNAが初めてとなる。この漁業によるキハダマグロの年間漁獲量はおよそ14万トンで、PNA加盟国水域内で漁獲されるキハダマグロの半分を占めている。なお、ツナ缶のラベルにはMSCラベルに加えてパシフィカルのロゴも表示される。
WWFオーストラリアのCEOを務めるDermot O’Gorman氏は「我々の海はこれまでの人間による誤った管理の歴史によって危機を迎えている。WWF、Pacifical、MSC、ジョン・ウェストによる協働の結果として、オーストラリアの人々は今後、1億ものパシフィカル・MSC認証ラベルが貼られたツナ缶をスーパーマーケットで目にすることとなるだろう。これはオーストラリアに流通するツナ缶の43%に影響を与え、世界で初めての取り組みとなる。オーストラリアにおけるサステナビリティは、ジョン・ウェスト・オーストラリアのリーダーシップのおかげで大きな歩みを踏み出した」と語った。
また、MSCにてアジア・パシフィック・ディレクターを務めるPatric Caleo氏は「今回の提携により、MSCラベルは世界最大規模のツナ缶に使用されることになる。MSC認証済のPNA漁業からの調達へとサプライチェーンを完全に移行することで、ジョン・ウェストは海洋を保護し、海洋資源の世代を超えた発展を保証することにおいて先頭を走っている。我々はジョン・ウェストとともにこの大きな変革を実現することを誇りに思うと同時に、我々の海を健康に保つためにこの大きな動きをとった彼らを賞賛する」と語った。
今回の提携は、オーストラリアのマグロ産業のサステナビリティ向上に向けた非常に大きな一歩となる。今後、レストランや小売店などでMSC認証済のツナ缶の流通が増え、より多くの消費者が漁業のサステナビリティについてより敏感になることが期待される。
【参照リリース】John West, WWF and MSC United for Sustainable Oceans
【参考サイト】Pacifical
【企業サイト】John West
【団体サイト】WWF Australia
【団体サイト】Marine Stewardship Council
2016/2/27
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