【国際】 国連SDSN「世界幸福度ランキング2017」発表。北欧スイスが上位、日本は51位
国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」は3月20日、「世界幸福度ランキング(World Happiness Ranking)2017」を発表した。SDSNは、2012年に当時の潘基文国連事務総長が設立した機関で、持続可能な開発(Sustainable Development)に向けた専門家ネットワークを構築している。2015年9月に国連持続可能な開発目標(SDGs)が制定されてからは、SDGsの設計・導入にも携わっている。
今回発表された「世界幸福度ランキング(World Happiness Ranking)」は、「世界幸福度報告(World Happiness Report)」の中で国別の幸福度ランキングとして発表されている。同報告書が初めて発表されたのは2012年。以後毎年発表され今年が5回目。また、3月20日は「国際幸福デー(International Happiness Day)」にも指定されている。
国連が世界幸福度を「ウェルビーング」という国民の主観によって評価しようとしている背景には、GDPなど客観的な経済的指標ではなく、人々の心理的な幸福度こそが重要だとする考え方から来ている。主観的な「幸福度」の評価手法については、過去30年間で国際機関や学術界を中心に様々な手法が開発されてきており、「世界幸福度ランキング」の分析方法には先進的な手法が取り込まれている。
この報告書は、マーケティングリサーチ世界大手ギャラップが毎年実施している世界規模のアンケート調査「Gallup World Poll(GWP)」のうち、「ウェルビーイング(WP)」に関する回答結果を基に、SDSNが統計分析を実施し発表。GWPは世界155ヶ国を対象としており、同様の調査としては圧倒的な国数をカバー。世界幸福度報告以外でも様々な世界的調査のローデータとして活用されている。世界幸福度ランキングは、GWPの質問の中で人生に「幸せ」を感じる度合いと「不幸せ」を感じる度合いの項目をもとに、その尺度を、1人当たり実質国内総生産(GDP)、社会的支援、健康寿命、信頼性、人生選択の自由度、寛容さ、腐敗認知の6指標を用いて相関分析を行い、寄与度をまとめている。
世界幸福度ランキング 2017 トップ10
上位10カ国は、同様のランキングではお馴染みのように、北欧諸国、スイスが占めた。またオーストラリア、ニュージーランドも上位に入った。これら上位10ヶ国は、ESG投資に積極的な国が多く、関連性が興味深い。
1.ノルウェー(7.537)
2.デンマーク(7.522)
3.アイスランド(7.504)
4.スイス(7.494)
5.フィンランド(7.469)
6.オランダ(7.377)
7.カナダ(7.316)
8.ニュージーランド(7.316)
9.オーストラリア(7.284)
10.スウェーデン(7.284)
世界幸福度ランキング 2017 G20諸国
G20諸国の中では、欧米勢が優勢。日本はロシアより低い51位だった。
7. カナダ
9. オーストラリア
14. 米国
16. ドイツ
19. 英国
22. ブラジル
24. アルゼンチン
25. メキシコ
31. フランス
37. サウジアラビア
48. イタリア
49. ロシア
51. 日本
56. 韓国
69. トルコ
79. 中国
81. インドネシア
101. 南アフリカ
122. インド
今年の報告書では、1日のうち多くの時間を過ごす職場での幸福度にも着目しており、雇用形態、職種、業種が幸福度に与える影響も明らかになった。収入だけでなく、仕事とプライベートのバランス、仕事内容、自主性の有無なども幸福度を左右する要素とされている。また、富裕国では精神疾患や心の病が不幸の最大の原因であるとも指摘した。
また、今年の報告書では、中国とアフリカ地域の詳細分析も行われた。
【参照ページ】FIFTH WORLD HAPPINESS REPORT RANKS HAPPIEST COUNTRIES
【報告書】World Happiness Report 2017
2017/04/04
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