どこまで進展? ジュエリーのエシカル度合
女性誌FraUでの1冊丸ごとSDGs特集が話題になっています。
ファッションやコスメの業界では、「エシカル」が雑誌などでも特集される機会も増えています。
私は最近、ジュエリーの世界でエシカルに触れる機会がありました。
国内の老舗ブランド、海外の大手ブランド、ソーシャルなブランドなどのショップを訪ねた際、エシカルに対する取り組みにも注目して各社を見てみました。
ジュエリー業界では、ゴールドやプラチナなどの素材が
どこでどのように採掘され、加工、流通しているかがポイントになります。
今回はダイヤモンドの話を中心にご紹介します。
紛争ダイヤモンドではないことを証明する「コンフリクト・フリー認証」は、
どこで聞いても、取得しています、紛争ダイヤモンドは使っていません、
との答えが返ってきました。
(積極的に説明するところは少数でしたが)
それもそのはずで、新規に産出されるダイヤモンドの99.8%が、 すでに認証取得済みとなっています。
コンフリクト・フリーであることを証明するのは、 2003年に設立されたキンバリー・プロセス認証制度です。 映画「ブラッド・ダイヤモンド」で国際的な関心も高まり、 紛争ダイヤモンドの削減に貢献してきました。
しかし一方で、現在の仕組みについては長年、問題点が指摘されています。
対象が武装勢力の資金源につながるダイヤモンドのみに限定され、
政府による人権侵害や、児童労働や強制労働などを対象にしていないこと。
違反を取り締まるための監視や制裁がないこと。
またトレーサビリティの観点では、個々のダイヤについて、 産出国以上は、産地がどこかまではほとんど追跡できていません。
人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチが 国際的なジュエリー企業13社を対象に行った調査でも、 完全に追跡できているところはほぼなく、 人権侵害を予防し悪影響を排除するためのプロセスについては 既存の制度や業界に依存し、人権に関して企業に要求される国際的な水準を達成するための 自社としての取り組みが不十分である点が指摘されています。
評価のトップはティファニーで、カルティエやブルガリが続きます
認証制度自体の改善も進められていますが、
NGOからは不十分との強い指摘を受けています。
トレーサビリティを改善する動きとしては、 IBMが業界団体と連携してブロックチェーンを活用した追跡システムの実装を進めるなど 新しい取り組みも出てきています。
百貨店でエシカルブランドの展示販売が日常的に行われるなど、 社会の関心も確実に高まっています。
各社は認証があるからよしで済ませるのではなく、 難しさも含めてコミュニケーションしつつ、 取り組みを次の段階に進める時に来ています。
*ちなみに私はご縁があったR Ethicalで購入しました
EcoNetworks
Sustainability Frontline [原文はこちら]
エコネットワークス
エコネットワークスは、CSR・サステナビリティに関する調査、言語、エンゲージメントを支援しています。また、世界に広がるパートナー・専門家のネットワークを通じて、各地の課題や先進企業の動向をウォッチし、情報発信をしています。
エコネットワークスのホームページはこちら
- 「やさしい日本語」を学ぶ意義 [Global CSR Topics]
- 賃金格差の開示をジェンダーギャップ是正につなげるために [Global CSR Topics]
- 服装ルールの緩和 働きやすい職場につなげていくために [Global CSR Topics]
- アワード・ランキング紹介 [CSRレポートトレンド]
- CSR調査データ [CSRレポートトレンド]
- CO2
- CSR
- CSRレポート
- CSR革新室
- ESG
- EU
- GRI
- IIRC
- SDGs
- YUIDEAセミナー
- アメリカ
- カーボンニュートラル
- サステナビリティ
- サステナビリティレポート
- サプライチェーン
- サーキュラーエコノミー
- セミナー
- セミナー開催
- ダイバーシティ
- プラスチック
- プレスリリース
- マテリアリティ
- リサイクル
- 中国
- 人権
- 再生可能エネルギー
- 取材記事
- 太陽光発電
- 情報開示
- 投資家
- 新型コロナウイルス
- 日本
- 東日本大震災
- 株式会社YUIDEA(旧:株式会社シータス&ゼネラルプレス)
- 気候変動
- 海外CSR
- 温室効果ガス
- 環境省
- 生物多様性
- 社会貢献活動
- 経済産業省
- 統合報告
- 統合報告書
- 自然エネルギー
- 電気自動車