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非常時にも電気を灯す。米大学の「蓄電池になる赤レンガ」

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東京駅や北海道庁旧本庁舎、世界文化遺産である富岡製糸場。これらに共通するものは赤レンガだ。明治・大正時代につくられた日本の赤レンガ製の建物は、重厚で美しい。また赤レンガは日本だけでなく、欧米をはじめ多くの国で何千年もの間、建築材料として使われてきた。

今回、お馴染みの赤レンガを蓄電池にして「電気を灯す」方法を米ワシントン大学が開発し、学術雑誌 「Nature Communications」で発表した。

研究チームが利用したのは、一般的な住宅資材販売店で購入した一個65セント(約70円)のレンガだが、通常のレンガだけでなく、リサイクルされたレンガでも蓄電池化できる。レンガ内部に存在するナノファイバーを使用して、導電性ポリマー(化合物)であるPEDOTと呼ばれるコーティングを作成することで製造が可能。赤レンガに含まれる酸化鉄や錆が、重合反応(ポリマーを合成するための化学反応)を引き起こすという。ポリマーコーティングが施されたレンガは、電気を貯蔵および伝導するイオンスポンジとして機能するため、非常用照明などに電力を供給できる建築用ブロックとしての貢献が期待されている。

レンガの蓄電池としての実用化に期待される方法が、レンガを太陽電池に接続すること。太陽光パネルは太陽光を利用して発電するものの蓄電機能をもたないが、太陽光パネルで発電した電力を蓄電池で貯めることで、電気が使用できるようになる。

Washington University, D’Arcy laboratoryより

さらに、1時間以内で数十万回の充電が可能と、エネルギーの効率性は高く、50個のレンガで、非常用照明に5時間電力を供給できるため、蓄電池として長く利用できる点が特徴だ。現在、緑色のLEDライトに直接電力を供給する赤レンガの画像も公開されている。

建築材料として世界中で広く使われ、身近に存在する建物など様々な場所で目にする赤レンガ。蓄電池としての役割を持つようになれば、災害などの緊急時にも非常用照明の電力源となり、多くの人々の命を守ってくれるだろう。

【参照サイト】

2020/9/3
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]

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