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保存料なしで食品を2年間そのままに。香港スタートアップ発明のパッキング技術

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現在、食品ロスが先進国や発展途上国も含めた世界中で問題になっている。日本国内では、食品廃棄物等は年間2,550万トン、その中で本来食べられるのに捨てられる食品の量は年間612万トンと、膨大な量を廃棄している現状だ。食品ロスの大きな原因の一つには、賞味期限・消費期限切れのものがすぐ捨てられてしまうことがある。こうした問題の解決策として、香港のスタートアップ・IXON Food Technologyが新たな食品の保存法を開発した。

その保存方法とは、包装、ソースやオイルの液体、肉や魚などの固体をそれぞれ別々の方法で殺菌し、無菌状態でパッキングした後に低温殺菌する方法だ。この方法を用いると、調理済み食品の風味、食感、栄養価を、保存料を使わずに2年間維持することができるという。

IXON Food Technologyが用いる低温殺菌法は、食品全体に一定の温度と圧をかけるのではなく、食品の外側の表面のみに高温をかけ、内部は低温のままにしておくやり方だ。包装は過酸化水素ガスを使って殺菌、液体物はレトルト方式(従来の100℃以上で行われる加圧加熱殺菌)で処理され、固形物は上記の低温殺菌法で殺菌される。最後に、無菌環境下において固形物と液体物を組み合わせる。その結果、食品は普通に調理されたかのような味になる。食品は121℃以上の温度にさらされないため、従来の保存食品のように「焼きすぎた」ような食感にはならず、栄養素と味も損なわれない。

IXON Food Technologyは、現時点では、同社の開発した食品は12ヶ月間、常温で安全に保存できると公表している。同社は2020年秋に、この技術を使ったグリルサーロインステーキやポークチョップなど、いくつかの製品をKickstarterで発売する予定だ。

IXON Food Technologyより

IXON Food Technologyの目指す食のイノベーションは利便性向上をもたらすだけではない。彼らが開発している技術は、学食からキャンプまで、あらゆるタイプのケータリングに革命を起こす可能性を秘めている。この技術を使えば、冷凍食品や缶詰といった従来の保存食品のように、栄養価を低下させることなく食品を保存することができる。また、この方法を使用した殺菌済みの製品は、製造に必要な水とエネルギーが少なく、調理にかかる時間も短くて済むため、環境にも優しい製品となっている。

日本のように災害の多い国では、おいしい非常食の開発は重要だ。厳しくつらい状況で、心のよりどころになるのが食である。そうした非常事態の中でも、最新のパッキング技術を使った食品があれば、少しは気持ちが楽になれるかもしれない。IXON Food Technologyの発明した技術は、世界中の食品業界に新風をふかせるものになるだろう。

【参照サイト】

2020/9/24
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]

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