個人のカーボンフットプリントを測定し、減らすコツを教えてくれるアプリ「Pawprint」
ロンドンとニューヨークに拠点を置く市場調査会社の「Opinium」が2020年4月に実施した調査 によると、イギリス人の48%が「政府は新型コロナウイルス感染症と同じぐらい、気候変動に早急に対応するべきだ」と考えているという。今多くの国や企業にとって、環境の持続可能性はますます重要な事柄になっているのではないだろうか。
スコットランド発のブルワリーであるBrewDogは2020年10月、すべての従業員がカーボンネガティブを実現するという方針を発表した。この野心的な目標を達成するために同社が取り入れたのが、個人がカーボンフットプリントを測定できるモバイルアプリ「Pawprint」だ。このアプリにはどのような機能があり、どのように使えばいいのだろうか。
同アプリは「測定する」「理解する」「減らす」という3つのステップをカバーした、人々の行動変容を支援するプラットフォームだ。まず「測定」のステップでは、ユーザーが食料消費や旅などライフスタイルに関する情報を入力し、自身のカーボンフットプリントを「見える化」する。たとえば食事が3.5トン、家が2.2トン、旅が3.2トンなどと表示され、年間合計で13.2トンの二酸化炭素を排出していることがわかるといった具合だ。
続いて「理解する」ステップではデータビジュアライゼーションを駆使して、ユーザーがこれらの数値の意味をより明確に理解できるようにする。たとえば「旅」の項目で年間3.1トンの二酸化炭素を排出しているという結果が出た場合、「イギリス人の平均は年間3.3トン」「3.1トンは、車で5616マイル(約9000キロメートル)走るのと同じ二酸化炭素排出量」といった情報が提示される。
そして実際にカーボンフットプリントを「減らす」ステップでは、各自の削減目標の達成に向け、アプリが各々の生活スタイルに沿った無理のない行動をするためのアドバイスをしてくれる。たとえば「服は物干しロープや物干しラックを使って乾かす」「1週間に食べる牛肉の料理を1回減らす」といった具合だ。日々の暮らしの中で、環境にやさしい行動がたくさんあることに気付かされるだろう。
Pawprintを複数人で使ってみて、互いにどの環境にやさしい行動がお気に入りか、意見交換してみるのも楽しそうだ。ちなみに同アプリのマスコットキャラクターであるシロクマは、雪の家で暮らすときにカーテンとドアを閉めて、内部の熱を逃がさないようにするアクションがお気に入りなのだそうだ。
【参照サイト】
2020/10/28
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]
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