Global CSR Topics

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欧州委、電池に関するEU法の改正を提案。再生材含有量などに関する要件も確立へ

欧州委員会は12月10日、電池に関するEU法の改正を提案し、2020年3月に同委員会が公表した「循環型経済行動計画」で明記された行動における最初のイニシアチブを打ち出した。

現在、電池と廃電池は2006年に施行された電池指令(2006/66/EC)に基づいて欧州全体で規制されているが、電池の需要の急速な高まりと、社会経済状況や技術開発、市場や電池使用の変化により、枠組みの改正が必要となっている。

ライフサイクル全体においてより持続可能な電池は、欧州グリーンディールの目標の鍵であり、汚染ゼロの野心に貢献するとした。欧州委は、競争力のある持続可能性の促進と、グリーン輸送とクリーンエネルギーおよび2050年までの気候中立実現には、持続可能な電池が必要だとみている。全種類の電池に関連する社会的、経済的および環境的問題に対処する同提案の要旨は、以下の通りである。

EU市場に導入される電池は、ライフサイクル全体において持続可能で高性能かつ安全でなくてはならない。

電池は、人権と社会的および生態学的な観点からの基準を完全に尊重して得られた材料を使用して、可能な限り環境負荷を抑えて製造されなくてはならない。電池は長寿命で安全でなくてはならず、寿命を迎えた電池は再利用や再製造、もしくはリサイクルして、貴重な材料を経済に戻される必要がある。

欧州における競争力のある持続可能性を促進する

欧州委は、EU市場に導入されるすべての電池(産業用・自動車用・電気自動車用・ポータブル用)の必須要件を提案している。より持続可能で競争力のある電池の開発には、有害物質の使用を制限した責任ある原材料の使用と最低限の再生材含有量、カーボンフットプリントと性能・耐久性、ラベル付けと回収・リサイクルの目標達成などの要件が不可欠である。これらを満たすことで、欧州および世界の電池産業が、より持続可能で競争力のある発展を達成できる。

法的な確実性を提供することは大規模投資を促し、急成長する市場に対応して、欧州およびそのほかの地域の革新的で持続可能な電池の生産能力を高めるのに役立つ。

電池の環境負荷を最小限に抑える

欧州委が提案する措置は、2050年までの気候中立実現を促進する。より高性能で優れた電池は、CO2排出量を大幅に削減し、電気自動車の普及と再生可能資源の利用を促進する。

同提案により欧州委は、電池のバリューチェーンの循環型経済推進を目指しており、電池の環境負荷を最小限に抑えることを目的として、資源のより効率的な使用を促進する。2024年7月1日から、カーボンフットプリントを公表している充電式の産業用および電気自動車用電池のみが市場に導入される。

ループを閉じ、EU経済で電池に使用される貴重な材料を長寿命化するために、同委員会は使用済み電池の再生材含有量と電池の収集・処理・リサイクルに関する目標と新しい要件を確立することを提案する。産業用・自動車用・電気自動車用の電池は、完全に回収されなくてはならないとした。回収されたすべての電池をリサイクルする必要があり、特にコバルトやリチウム、ニッケルや鉛などの貴重な原材料の回収率を向上させなくてはならない。ポータブル用電池の現在の回収率は45%であるが、2025年には65%に、2030年には70%に引き上げ、家庭で使用する電池の材料を経済的に失わないようにする必要があるという。

提案された規制は、電気自動車からの電池転用を促進する枠組みを定義しているため、定置型電力/エネルギー貯蔵システムやエネルギー資源としての電力網への統合などに再利用や再製品化できる。

新しいITテクノロジー、特にバッテリーパスポートと相互リンクされたデータスペースの使用は、安全なデータ共有と電池市場の透明性の向上、およびライフサイクル全体における大型電池のトレーサビリティ確立に向けた鍵となる。これによりメーカーは、グリーンとデジタルの2つの移行の一環として、革新的な製品とサービスを開発できるようになる。同委員会は、新しい電池の持続可能性基準により、グリーン移行を世界的に推進し、持続可能な製品の政策のもとでさらなるイニシアチブのビジョンを確立する。

欧州グリーンディール担当のフランス・ティーマーマンス欧州委員会上級副委員長は、「クリーンエネルギーは欧州グリーンディールの鍵となりますが、交通・輸送における電池への依存の高まりは環境に悪影響を与えるべきではありません。新しい電池規則は、ライフサイクル全体においてすべての電池の環境的および社会的影響を軽減するのに役立ちます。この提案により、EUは安全で健康的でサーキュラーな方法で電池の使用と生産を拡大できます」と述べている。

欧州委員(域内市場担当)のティエリー・ブルトン氏は、「欧州は、産業競争力とグリーンな野心の実現に不可欠な電池など、新しい可能性のあるテクノロジーの戦略的能力を高める必要があります。投資と適切な政策インセンティブ(新しい規則に関する今回の提案を含む)により、原材料や化学製品から電気自動車やリサイクルに至るまで、われわれはEUにおける完全な電池のバリューチェーン確立を支援しています」と語っている。

【プレスリリース】 Green Deal: Sustainable batteries for a circular and climate neutral economy

【提案本文】 Proposal for a REGULATION OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL concerning batteries and waste batteries, repealing Directive 2006/66/EC and amending Regulation (EU) No 2019/1020

2020/12/14 Circular Economy Hub
[原文はこちら]

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