空気を浄化するストリートアート、ワルシャワの街中に登場
「街の美化」といわれたら、あなたは何を連想するだろうか。ごみ拾いをする、木々を増やす、花を植える……?実は今、こうした街の美化におなじみの清掃や緑化によらない画期的な方法で街をきれいにしようとする動きが世界各地で見られ始めている。
それが、世界的なシューズメーカー・コンバースの都市緑化プロジェクト「City-Forests」だ。世界複数都市の街中の壁に、大気汚染を改善する塗料を使ったストリートアートを描く企画で、木が育たない所に植樹するように、空気の汚れた都市の真ん中で空気をきれいにするというコンセプトを持っている。
ポーランドの首都ワルシャワにも、建物の壁に描かれたカラフルなストリートアートが出現。現地のアーティストであるマチェック氏とダヴィッド氏が絵の原案をデザインし、地元のアーティストハブGood Looking Studioが実際のペインティングを行った。
大きな壁に描かれた独創的なアートには、二酸化チタンを含む光触媒塗料「KNOxOUT」が用いられている。この塗料は、車や工場、発電所等から発生する大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)を引き付けるものだ。日光により化学反応が起こり、周辺の汚れた空気を水や少量のCO2、無害な硝酸カルシウムに変える作用を持つ。硝酸カルシウムは雨が降ると洗い流され、壁画は再び大気中の汚染物質を引き寄せる。
これまで「City-Forests」プロジェクトの舞台となったのは、バンコク、ベオグラード、ワルシャワの三都市。コンバースはウェブサイト上で「これらの世界三都市で描かれたストリートアートは、合計1,470本分の木と同じだけの空気清浄能力を備えている」と紹介している。
今後は、リマやシドニー、ジャカルタ、マニラ、サンパウロ、サンティアゴ、ヨハネスブルグ、メルボルン、ボゴタ、パナマシティでも同様のアートプロジェクトが計画されている。
ワルシャワの壁画には、近未来的な建物の合間から緑が溢れている様子が描かれており、表情豊かな花々が、道行く人々に笑いかけている。将来的には水耕栽培の技術が進歩し、都会の限られたスペースでも緑や野菜が育てられるようになると言われているが、このアートは無機質な壁でありながら、空気清浄や街の景観を良くする植物のような役割を果たしている。
【参照サイト】
2020/12/22
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]
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