タケエイとリバーホールディングスが経営統合。売上高1000億円企業を目指す
廃棄物処理・リサイクルの株式会社タケエイ(以下、タケエイ)と資源リサイクルのリバーホールディングス株式会社(以下、リバーホールディングス)はこのほど、共同持株会社を設立して経営統合することを発表した。
タケエイは「資源循環型社会への貢献を目指す」を経営理念とし、再生可能エネルギー事業や環境エンジニアリング事業などへの事業領域拡大により、廃棄物の再資源化と環境負荷低減を実現する「総合環境企業」を目指している。リバーホールディングスは「地球を資源だらけの星にしよう。」を企業理念とし、高度循環型社会構築を目指している。これまでに、金属系有価物・廃家電・使用済み自動車・廃自販機・廃プラスチック・産業廃棄物などのリサイクルを手掛けてきた。
近年、地球温暖化や廃プラスチック問題などが深刻化し、コロナ禍で人々の生活様式や企業を取り巻く経営環境が大きく変化するなかで、両社は以下の理由から同経営統合に至ったとしている。
- 地球環境を保全するという経営理念が同じである
- 地球規模のCO2排出量削減や廃プラスチックのリサイクルなどの技術的対応において、企業ごとに大規模投資や研究開発を実施するよりも、両社共同で経営資源を投じる方が効率的である
- リサイクル事業の深化やエネルギー事業の推進に両社の経営資源を活かすことで、相乗効果が十分ある
同経営統合は、1カ所でサービスやエネルギーを提供する「総合環境企業」を目指すための出発点としての統合であると両社はみている。両社は、社会・行政・一般顧客に安心で安全な排出物・廃棄物の静脈バリューチェーン「リサイクル、中間処理、廃棄物・バイオマス発電、最終処分などの各事業の設計、構築、運営までの一貫サービス」を提供していく意向だ。同サービスを通じて、政府が掲げる「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」に呼応した高度循環型社会や脱炭素社会に貢献し、廃棄物リサイクル・処理業界を牽引する環境ビジネスモデル構築を進め、売上高1000億円企業を目指すとしている。
両社は今後、以下のような取り組みに注力していく構えだ。
1. リサイクル事業の深化
- 行政を含む排出者の高度化する再資源化需要に的確に対応することで、両社の強みを活かしたクロスセリング(※1)による取り扱い品目・量の拡大に伴う売上高増加を実現する
- 一体的な設備改善や拠点活用、物流最適化を推進する
- 廃プラスチックなどを原料としたRPF(※2)や製鉄副資材の製造などにこれまで以上に積極的に取り組むことで、廃棄物の再生品原料化・燃料化に向けたリサイクル深化によるコスト削減を図る
2. エネルギー事業の推進
- 集荷する循環資源を拡充し、化石燃料を用いない電力化施設の整備を推進することで、社会インフラとして「脱炭素化」と「新たな電源」に貢献する。その際、地域に根ざした協業枠組みの構築や発電規模、手法などの選択により、経済と環境の好循環を可能にする長期安定的な再生可能エネルギー事業を推進する
- 両社の事業活動に伴う使用電力について、経営統合後5年以内をめどにカーボンニュートラルを達成することで、SDGs推進にも一層積極的に貢献する
3. 新技術の開発
- 両社の人材交流や技術・知見の共有、産学官連携などをもとに、新たなリサイクル技術開発を推進することで、同業他社との差別化と競争力強化を図る
- 国内において再資源化需要の高まりを見せている廃プラスチックとシュレッダーダスト(※3)のリサイクル強化に向け、回収方法・経路の最適化を実現する物流システムの開発と解体・破砕・選別技術の開発・高度化、安全性の追求と希少金属などの効率的な回収技術の確立などを目指す
- 廃棄物発電におけるごみ質の変化に伴う高効率エネルギー化に必要となる忌避物質の除去や、成分調整などの技術開発を推進する。
今後、両社は海外展開も視野に入れていくとしている。両社がこれまで培ってきた経営資源を統合して総合環境企業を目指すことで、廃プラスチックやCO2排出などの課題がどのような形で解決に向かっていくのか注視していきたい。
※1 クロスセリング:顧客が購入を検討している商品・サービスに加え、関連する商品・サービスも同時に購入してもらうこと
※2 RPF:Refuse derived paper and plastics densified Fuelの略称で、主に産業系廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難な古紙および廃プラスチック類を主原料とした高品位の固形燃料
※3 シュレッダーダスト:工業用シュレッダーで廃自動車や廃家電を破砕して金属などを回収した後に、産業廃棄物として捨てられるガラス・プラスチック・ゴムなどの破片の混合物
【プレスリリース】 株式会社タケエイとリバーホールディングス株式会社との共同持株会社設立(株式移転)による経営統合に関する基本合意書の締結について
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