アメリカ、歴史上の「偉大な女性たち」が描かれた硬貨を2022年に発行
日本の紙幣に女性の肖像が採用されたケースは、今まで何回あるかご存じだろうか。日本銀行によると、日本銀行券には現行紙幣を含めて16人が登場しており、このうち女性は、現行の五千円札に採用されている樋口一葉だけだ。2024年度上期を目途に発行される新五千円札には、日本の女子教育を推進した津田梅子の肖像が選ばれ、優れた業績を残した女性たちへの関心が高まっている。
そんな中、アメリカ合衆国造幣局は2022年から2025年までの4年間、毎年異なる5人の女性の肖像を使った25セント硬貨を発行するという。様々な分野で活躍した女性を取り上げる方針で、2022年の硬貨に採用されたのは、黒人作家で公民権運動家のマヤ・アンジェロウ、アメリカ人女性初の宇宙飛行士であるサリー・ライド、アメリカの先住民自治政府「チェロキー・ネイション」初の女性首長であるウィルマ・マンキラー、ニューメキシコ州における女性参政権運動のリーダーであったニーナ・オテロ・ウォーレン、ハリウッドで有名になった初の中国系アメリカ人女優のアンナ・メイ・ウォンだ。
このように、多様な人種や民族の女性を取り上げている点が、多民族の国であるアメリカらしい。どの女性を取り上げるか決める際には、市民の意見も反映するために、国立女性歴史博物館(National Women’s History Museum)のウェブサイト上で意見を募った。同サイトには、11,000件を超える提案が集まったという。
こうして選ばれた女性たちの肖像は硬貨の裏面に登場し、表面には従来と同じく、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンの肖像が使われる。ただ、ユニークなのは、20世紀に活躍した女性彫刻家であるローラ・ガルディン・フレイザーが作った新しい肖像が採用される点だ。従来の25セント硬貨では、左向きのジョージ・ワシントンの肖像が使われているが、新しい肖像はレア感のある右向きだ。この右向きの肖像は、1932年に硬貨の図柄を変える際に候補として挙がったが、採用には至らなかったという経緯がある。
今回は4年間という長期プログラムだが、2023年以降の硬貨には誰が登場するのか、今から楽しみだ。
【参照サイト】 2022 American Women Quarters Program Coins | U.S. Mint
2021/11/30
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