アラベスク:クリスマス・ツリーのジレンマ
※本記事は、ESG評価機関アラベスクによる寄稿を、和訳しご提供しています。
フェアリーライトの明かり、クリスマスキャロルのメロディ、ミンス・パイやホット・ワインの香りが漂うお祭りの時期がやってきました。 12月はクリスマス・プレゼントを買うことで時間があっと言う間に過ぎてしまいますが、クリスマス・ツリーは正しく選択したいと思っています。それは皆の思いです。カラフルな星や装飾品で飾られた常緑樹は、クリスマス休暇を愛するすべての人々にとって不可欠なものです。 しかし、1月になると、その木はゴミ箱に放り込まれます。この行為は、サステナビリティとサーキュラーエコノミーの精神を反映するものではありません。 そのため、多くの人々は、より持続可能な、そして、費用対効果の優れたオプションとして、人工的なクリスマス・ツリーを選択しています。
前者は森から伐採された自然の木、後者はプラスチック製、あなたはどちらを選びますか?
ツリーを取り巻く環境負荷を理解する
クリスマス・ツリーは重要なビジネスになっています。英国だけでも毎年約700万本の本物の自然の木が購入されています。つまり、これは大量の自然の木を伐採することを意味しています。人工の木、または「フェイク(偽の)」ツリーを買う方が良いのではないでしょうか。
ほとんどの人工樹木は、プラスチック、PVC(ポリ塩化ビニル)、金属などの材料を使用して中国で生産され、さらに輸送する必要があるため、かなりの二酸化炭素排出量(2メートルの木の場合は約40kg)を要するなど、環境負荷があります。そうは言いましても、人工樹木には明らかな利点があります。次のクリスマスまで、それらの人工樹木を保管して再利用することができます。人工樹木のカーボンフットプリントの環境負荷を実際の樹木よりも少なくするためには、重量や使用される材料によっても異なりますが、人工樹木を7〜20回再利用する必要があります。しかしながら、これまでのところ、人工樹木の再利用回数は4回ほどに留まる上、リサイクルできないため、最終的には埋め立て処分されると推定されます。
一方、もう1つの選択肢は、自然に育った木です。高さ2メートルの木を育てるには約10〜12年かかりますが、木を育てる間、大気から二酸化炭素を吸収し、自然の環境を提供します。毎年恒例のクリスマス・シーズンのために特別に松やモミの木を育てる農場があります。英国のクリスマス・ツリー栽培者協会は、自然育成のクリスマス・ツリーのサステナビリティと栽培者を支援する団体です。あなたの地元の木の販売店がその団体のリストにあるかどうか確認するために同団体のウェブサイトをチェックしてください。
長所と短所を理解して選択する
自然またはプラスチック、どちらを選びますか? 明らかに、いずれも長所と短所があります。
あなたが都会に住んでいるなら、本物のクリスマス・ツリーの香りは自然を感じることのできるものなので、私たちはあなたが本物のクリスマス・ツリーを購入することを非難しないでしょう。 ただし、近郊にある専門の樹木栽培農家から調達し、1月に入ったら正しく処分するように心掛けてください。 プラスチック製の木を選択する場合は、できるだけ長期に亘って再利用してみてください。 また、鉢植えやレンタル等、他にも利用できるオプションはあります。
クリスマス・ツリーとともに過ごす時間が幸せなものであることを願っています!
2021/12/21
Arabesque S-Ray
Arabesque S-Ray
アラベスクは2013年に創業し、資産運用事業を中核にサステナビリティ金融事業を推進してきました。2018年にESGリサーチの社内ツールであったS-Ray(R)を独立したESG評価事業としてアラベスクS-Rayをスタート。2019年には資産運用事業にAIを取り入れたAIエンジンを開発し、アラベスクAIを設立。金融、サステナビリティ、AIの融合を目指すことで、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。
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