Global CSR Topics

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アラベスク:科学VS否認主義

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※本記事は、ESG評価機関アラベスクによる寄稿を、和訳しご提供しています。

動画配信サービスの米ネットフリックスが配信する新しい政治風刺映画「Don’t Look Up(ドント・ルック・アップ)」は、リリース後2週間足らずで2億6,300万時間を超える視聴時間数を達成し、ESG的思考のための好材料を提供してくれました。この映画は、地球に向かって進んでいる彗星を発見した2人の科学者が、彼らを取り巻く政治家、メディア、一般市民に行動を促すよう説得する過程を追っています。映画に対する評価は賛否に分かれていますが、科学的証拠への否定、生命を脅かす出来事に対応する人類の能力、そして行動を起こす過程における富裕層、メディア、政治が及ぼす(問題ある)悪影響について重要な課題を提起しました。結局、この映画は、それぞれが純粋に利益を追い求めることと、地球を救うために正しいことをすることとのジレンマを浮き彫りにすることに要約されます。

このようなことを以前にも遭遇したことがありませんか?市民と科学者ともに、この映画の内容と、現在直面している気候変動との間に類似点を思い描きました。気候変動の現場では、活動家が気候変動の緊急事態に対処するよう最前線で世界に向かって働きかけています。彼らの努力は、しばしば無視、嫌がらせ、露骨な軽視、または直接的な否認主義に直面します。

浸食する否認主義

数十年前、経験的エビデンスに基づく学術的発見は日々の生活に必要な事実と見なされていましたが、現在、それとは逆の動きが生まれてしまっています。
科学的エビデンスに対して否認する事は、それ自体、限定的な結果しか導き出さない可能性があります。このような否認主義が政治的および経済的側面にまで及んでしまうと、上述の懸念が膨らみます。世界は、ドナルド・トランプ前米国大統領が「外は寒かった」という理由で、地球温暖化を否定するのを目撃しました。米国の新政権が打ち出したアクション・プランは大きく異なっていますが、アメリカ進歩センターが発表した緊急分析によると、現在の米国連邦議会には、科学的エビデンスで示された気候変動に関する人為的な影響を認めない議員が139人います(ほぼ同じ議員が石炭、石油、ガス会社から合計6,100万米ドルの寄付を受けました)。このような強欲に駆り立てられた否認主義は、様々な法案に影響を及ぼしました。重要なインフラ開発を妨げ、大気汚染規制を撤廃し、化石燃料への投資の継続を可能にしました。

科学に基づいた適切なガイダンスを

映画「ドント・ルック・アップ」において描かれた危機と、ジェニファー・ローレンス、レオナルド・ディカプリオらが演じる科学者あるいは人々が直面する無視や嫌がらせのような困難は現在の多くの問題に非常に良く当てはまります。パンデミック、気候危機、地政学的問題に関する陰謀論やデマがソーシャルメディアによって永久的に放置され、政府、社会システム、科学に対する信頼の欠如につながっています。社会の中心は、個人の表現、信仰、および言論の自由の権利が機能することにありますが、集合体への責任を無視することはできません。したがって、十分に研究、調査、分析された科学に戻って、適切なガイダンスを得ることは妥当なことです。

2022/1/24
Arabesque S-Ray

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    アラベスクは2013年に創業し、資産運用事業を中核にサステナビリティ金融事業を推進してきました。2018年にESGリサーチの社内ツールであったS-Ray(R)を独立したESG評価事業としてアラベスクS-Rayをスタート。2019年には資産運用事業にAIを取り入れたAIエンジンを開発し、アラベスクAIを設立。金融、サステナビリティ、AIの融合を目指すことで、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。

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