Global CSR Topics

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アラベスク:自由、平等、多様性

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※本記事は、ESG評価機関アラベスクによる寄稿を、和訳しご提供しています。

「ジョンという名前の男性よりも女性が経営する大企業の数は少ない」
2015年に米ニューヨークタイムズ紙は、上記のような衝撃的な見出しを掲載し、米国企業の多様性が信じられないほど欠如していることを指摘しました。そして、おそらくご存知のように、企業社会において、歴史的に疎外されてきたのは女性だけではありません。さまざまな民族、人種、性別、そして障がいを背景に持つ個人が同じような境遇に置かれてきました。

それでは、2022年の多様性はどうでしょうか?投資家や従業員が企業に対してDE&I(多様性(Diversity:ダイバーシティ)、公正さ(Equity:エクイティ)、受容性(Inclusion:インクルージョン))を検討するよう圧力をかけていることから、目覚ましい進展がみられます。そして、私たちは実際にいくつかの事例を見てきました。先日、ネットフリックスは、女性および人種または少数民族の従業員が同社の米国における従業員の50%以上を占めており、同社の部長もしくは上級管理職の半分以上を女性が占めていると発表しました。昨年、米証券取引委員会(SEC)が米ナスダック証券取引所の新しい上場基準を承認しました。この基準には、上場会社の取締役会の取締役は最低2名は多様性のある取締役を含むこと、そして取締役会の多様性に関する数値を公開することが含まれており、金融機関もこのトピックに注目しています。それほど多くの要求には聞こえないかもしれませんが、DE&Iを取り巻く感情は変化しています…そして、順調にいけば、未来はより受容性の高い社会に向かっていくのでしょうか?

多様性が企業組織にもたらす効果

多様性は、実際の社会の構造を表し、創造性やコラボレーションを育み、均質的な社会環境の現状を正します。 差別を減らし、顧客とのエンゲージメント、そして従業員の福利を向上させることができます。
DE&Iを実装するという道徳的な義務感を超えて、ビジネスを行う上で必須事項であり、賢明な判断です。

  • マッキンゼーのレポートによると、人種や民族の多様性に重点を置いている上位25パーセントの企業は、それぞれの国内産業の中央値を上回る収益を得る可能性が35%高くなっています。
  • ハーバード・ビジネス・レビューは、チームが多様な経験的知識に基づいている(つまり、多様な視点や情報処理スタイルを持つ)場合、チームは問題をより早く解決する可能性が高いと述べています。
  • デロイトによると、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員は、イノベーションを20%向上させることができます。

そして、適切なレポーティングを忘れないでください。

  • ジャスト・キャピタルの分析によると、労働力の多様性に関する開示をしている企業は、開示していない同業他社を株価の面でアウトパフォームしているとしています。

モニタリングとデータ開示が重要

多様性は企業の繁栄の基盤であり、企業経営の文脈において真剣に検討する必要があります。 しかし依然として、投資家は多様性の指標に関するより良い情報開示とデータを必要としています。データにより、DE&Iを具体的に示すことができ、説明責任を促し、進捗状況をモニタリングすることができます。今後、データの標準化と開示状況は 、米国の大企業の半数以上が労働力の多様性データを報告していることや、SASB(サステナビリティ会計基準審議会)の人的資本評価イニシアチブなどから向上するでしょう。

全体としては、DE&Iを企業経営に取り込み、報告開示するには、まだ長い道のりがあります。 これから世界の主要国では、2022年の株主総会のシーズンを迎えますが、今年の株主総会の議題は、気候変動に関する議題だけではなく、多様性に関する議論が行われると予想されます。

2022/3/28
Arabesque S-Ray

    Arabesque S-Ray

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    アラベスクは2013年に創業し、資産運用事業を中核にサステナビリティ金融事業を推進してきました。2018年にESGリサーチの社内ツールであったS-Ray(R)を独立したESG評価事業としてアラベスクS-Rayをスタート。2019年には資産運用事業にAIを取り入れたAIエンジンを開発し、アラベスクAIを設立。金融、サステナビリティ、AIの融合を目指すことで、サステナブルな社会の実現に貢献していきます。

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