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「女性活躍を応援します」そんな企業の賃金格差を指摘するツイッターbot

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2022年3月8日、国際女性デー。1975年に国連で提唱されて始まった国際女性デーは、ジェンダー平等の分野における進展を祝うと同時に、これまでの成果を批判的に振り返り、世界的なジェンダー平等の実現に向けてさらに機運を高めるだ。

国際女性デーになると、企業がSNSで「当社では女性が活躍している」「国際女性デーに合わせて割引を実施」「女性が登壇するウェビナーを実施」などと発信するのを、見たことがある人もいるかもしれない。

そのとき、「実際のところはどうなのか」「記念日に盛り上がるだけでなく、普段から女性の活躍推進に取り組んでいるのか」と、モヤモヤした気持ちになったことはないだろうか。

たとえば、イギリス政府のデータによると、2020~2021年には同国の77%の企業で、女性の賃金水準が男性を下回ったという(※1)。また、UN Women(国連女性機関)の2021年の報告書によると、イギリスの女性の71%が、公共空間でセクシャルハラスメントを受けたことがあるそうだ(※2)。外面と実態が乖離している企業も、あるのではないだろうか。

SNSマネージャーのフランチェスカ・ローソン氏と、ソフトウェアコンサルタントのアリ・フェンサム氏は、2022年、企業アカウントが国際女性デーに関するツイートをすると、引用ツイートで、その企業の男女間賃金格差情報を発信するツイッターボット「Gender Pay Gap Bot」を作成した。

二人の目的は、企業の耳障りの良い言葉に対抗する、ファクトを提示することだ。イギリスでは2017年以降、従業員数250人以上の企業が、男女間賃金格差情報を公表することが義務付けられている。公表された情報は政府サイトで見れるが、二人には「その存在があまり知られていない」という問題意識があった。

そこで、政府のデータにある企業名と、ツイッターアカウントに使われている企業名を連携させ、企業アカウントのツイートに自動的に反応するボットを作成。Gender Pay Gap Botは、 2022年3月半ば時点で2千以上のツイートをし、ツイートが1.5億回以上表示されるという、大きな注目を集めた。

Gender Pay Gap Botは、これまでの進展を喜ぶだけでなく、達成状況を批判的に振り返るという、国際女性デーの趣旨に合った企画ではないだろうか。反省すべき点を認識した企業が、来年の国際女性デーに向けて状況を変えていく時間は、十分にある。

今回は男女間の賃金格差に焦点を当てた企画だったが、他にも男女分け隔てのない採用や、出産・育児といったライフイベントを経ても働き続けられる環境づくりなど、企業がジェンダー平等を実現するためにできることは色々ある。

また1年後、今よりジェンダー平等が進んだ世界で、国際女性デーを祝いたい。

※1 I set up a Twitter bot to expose companies’ pay gaps | Metro News
※2 Prevalence and reporting of sexual harassment in UK public spaces

【参照サイト】Gender Pay Gap Bot | About

2022/4/14
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]

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