ボーダフォン・ドイツ、携帯が売れるたびに途上国の電子ごみを回収へ
アフリカ諸国で、いま電子廃棄物(E-waste)が大きな問題となっている。不適切なリサイクルを行う業者は、廃棄物を野焼きしたり、安全対策を怠ったりしているため、資源回収に従事する人々への健康被害が懸念される。
そんななか、日々多くの電子機器を使う私たちが、不適切な方法で処理される電子廃棄物を減らせる方法がある。
イギリスに本社を置く大手携帯電話事業者のボーダフォンと、携帯電話の回収サービスを展開するオランダのスタートアップClosing the Loopは、2022年6月、ドイツの消費者がボーダフォンで携帯電話を買うたびに、Closing the Loopが、リサイクルの仕組みが整っていない国で廃棄された携帯電話を回収すると発表した。
携帯電話が1台売れるたびに、1台の携帯電話が資源循環の輪に入ることから、この取り組みは「One For One(1台が1台のために)」と名付けられている。Closing the Loopは、ガーナ、ナイジェリア、カメルーンなどの国々で、携帯電話を回収する。
回収された携帯電話は、リサイクルの仕組みが整ったヨーロッパに送って処理するため、廃棄物の不適切な処理を減らすことができる。One For Oneによって、毎年100万台以上の携帯電話を回収できる見込みだ。
Closing the Loopは、携帯電話を安全に回収する現地の人々に適正な賃金を支払い、雇用創出に貢献する。収入を得るために、電子廃棄物の不法投棄場所で金属を探して健康を害する人や、回収した携帯電話を違法なリサイクル業者に売る人が減ることを願いたい。
ボーダフォンはOne For Oneを通じて、ドイツ国内の消費者がサステナビリティに対する意識を高めることも目指しており、人々に携帯電話をできる限り長く使うよう促している。保護ケースや保護フィルムの使用を勧め、ボーダフォンの修理サービスやリサイクルサービスがあることを伝えている。
両社の取り組みは、「世界の課題を解決する消費とは何か」というテーマについて考えるヒントをくれる。発展途上国の劣悪な労働環境をなくすために、私たちに何ができるだろうか。
【参照サイト】
- One for One – scaling a proven initiative that reduces electronic waste | Closing the Loop
- One for One: Deshalb recycelt Vodafone alte Handys
2022/7/6
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]
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