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デジタルのごみ、溜まってない?「見えない環境負荷」を捨てられるボックス

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ビジネスをとりまく状況は大きく変わった。リモートワーク、電子化、DX……紙を使わないことは、環境に良いように見える。こうしたデジタル化が実は環境に悪影響を与えていることをご存じだろうか?

実は、IT業界のもたらす環境負荷は航空業界に次ぐほど。メールボックスに溜まった、たった数キロバイトのメールや、毎日閲覧するサイトの高解像度画像のローディングが積もり積もって各地のデータセンターの負荷をあげ、CO2排出量を上げている。今回紹介するソリューションは、そうした小さなところから環境保護へアプローチできるということを啓発する取り組みだ。

様々な企業のDXを手掛けるフランスの会社Soixante Circuitsは、デジタルサステナビリティを啓発するごみ箱「IRL Trashcan」を生み出した。スマートフォンでこのゴミ箱アイコンの形をしたデバイスにタッチすると、自動的にメールを削除してくれるというものだ。「デジタル空間にある『ごみ』を、私達がいつも『ごみ』を捨てるように捨てよう」というメッセージを込めたプロジェクトだという。


Soixante Circuitsによれば、このデバイスは1分間で600通のメールを削除できるという。CO2排出量に換算するとおよそ3gの削減になり、1日に換算すると4320gの削減だ。これは、プラスチックバック432袋を作るときに発生するCO2と同じ量だという。

私たちがインターネット上で普段はまったく意識せず浪費するエネルギーに目を向け、それらを削減していく動きを「デジタルサステナビリティ」と呼ぶ。IDEAS FOR GOODでは、こうしたデジタルサステナビリティへのアプローチ事例をいくつか掲載してきた。サステナブルなウェブサイトを制作するイギリス・Wholegrain Digitalの取り組みや、イタリアのデザイン会社「Formafantasm」が制作した無駄を排したシンプルなウェブサイトなど、データ通信量を削減し、デジタルサステナビリティにアプローチする会社の事例も興味深い。また、画像よりも大量の通信量を持つ動画でも、低画素動画コンテストが開かれ、新しい表現と環境保護を両立させるプロジェクトも存在している。

デジタルに関わるCO2排出量を少なくしたり、環境に配慮したデジタルデバイスの使い方をしたりするのは、大変な負担を伴うことではない。あなたのタップ一つで変わっていくことなのだ。「IRL Trashcan」のプロジェクトを見て感じたことを、ぜひ日常生活のふとした瞬間に思い出してみてほしい。

【参照サイト】

2022/7/6
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]

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