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いじめやDV、セクハラまで。当事者の“苦しみ”を追体験して学ぶVR「Spotted」

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ヘッドセットを装着することで360度パノラマ映像による仮想空間を体験できるVR(仮想現実)。ゲームなどエンタメで用いられることの多いVRだが、教育の用途でも活用が期待されている。

世界にはさまざまな差別が存在する。例えば、2020年5月に米ミネソタ州で、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人の警察官に首を圧迫されて死亡した事件を受けて広がったBlack Lives Matter運動などに見られる人種差別。そのほか、マイクロアグレッションや慈悲的性差別、エイジズム──。

これらの問題に共通することは、当事者にしかわからない苦しみがあることや、知ったり学んだりすることはできても差別を抑制する方法がほとんどないこと。そんな難しい課題の解決にチャレンジすべく、オランダであるサービスが開発された。差別で苦しむ人々の立場を疑似体験できるVRプラットフォーム「Spotted」だ。

Spottedは、共感力や思いやりをはぐくむことを目的につくられた。対象は、主に従業員トレーニングを行う企業や個人など。サービスでは、いじめや差別、不平等、セクシュアルハラスメントのほか、離婚や家庭内暴力、精神障害などの問題に関連したVRシミュレーションが提供される。破壊的な行動を体験することで、それによる精神的、感情的な影響を認識することが可能なのだ。

このVRプラットフォームを製作したのは、オランダの企業「Enliven」。人と人の相互理解を深めることを目的としている同社の創業者・Alex氏は、8歳のときにオランダにやってきたイラン難民だ。幼い頃にAlex氏自身が受けた家庭内暴力や差別の経験が、Spottedの誕生のきっかけになったという。同サービスは、ソフトウェアなどのスタートアップ企業に機会を提供する「LUMO Labs」と社会起業家を支援する「OostNL」の出資により開発された。

「prevention through awareness : 気づきによる予防」という理念を掲げるEnliven。同社によると、危機を疑似体験をすることが、破壊的な行動の感情、精神面への影響の認識を高めることが実証されているという。つまり、VRであっても誰かのストーリーを追体験することで、他者に対する差別などの行動抑制につながるのだ。

あまりにも根が深く、どうしようもないと感じられる差別という課題も、一人ひとりの思いやりの気持ちから変えていくことができるのではないだろうか。

【参照サイト】

2022/11/8
IDEAS FOR GOOD
[原文はこちら]

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