ドバイが無償でパンを提供。豊かな都市の、別の一面を知る
アラブ首長国連邦(UAE)の首都・ドバイに対して、「豊かな国」というイメージを持つ人は多いのではないだろうか。華やかな高層ビルであるブルジュ・ハリファや、民族衣装に身を包んだ富裕層などの印象が強い国だ。
2022年9月、そんなドバイに、無料でパンを提供する自動販売機のような機械が設置された。すべての人が満足に食べられることを目指して始まった、この取り組み。ドバイにも、食事に困るほど貧しい人たちがいるという、影の側面があることに気づかされる。
実は、UAEの人口の約88%は、インド、バングラデシュ、パキスタンといった国々からの出稼ぎ労働者が占める(※1)。彼らの多くは建設現場などで働く臨時労働者で、収入が少ない人も多い。
一方、UAE国民の多くは報酬が比較的高い、安定した仕事に就いており、出稼ぎ労働者とは境遇の違いがある。こういった状況を鑑みて、食事の支援を始めたのかもしれない。
2022年11月現在、ドバイにはこの機械が10台設置されているという。同国のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム首長が発足させた、Mohammed Bin Rashid Al Maktoum Global Initiativesという団体が、プロジェクトに関わっている。
同団体は以前、恵まれない境遇にある世界中の人々に10億食を提供する取り組みも行った。国内に限らず、世界の貧困問題に関心があることがうかがえる。
無料でパンを提供する今回の取り組みでは、人々からの寄付を受け付けている。機械が設置された場所で寄付したり、ウェブサイトを通じて寄付したりすることが可能だ。ウェブサイトで、10AED(約400円)から寄付を受け付けているのを見ると、「豊かな国」というイメージとのギャップを感じる。
私たちは普段、一部の観光パンフレットやニュースだけを見て、他国のイメージを頭の中で作り上げてしまっていないか。すべてを知ることは難しいが、できるだけ多角的な情報収集を心がけたい。
※1 United Nations COVID-19 Socio-Economic Analysis for the United Arab Emirates
【参照サイト】 Fresh bread around the clock through smart machines
2022/11/16
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[原文はこちら]
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